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2016-07-21(Thu)

映画見た記録

最近見たけど「良かったぞー」っていうほどまでいかなかったものをメモ。

「ノンストップ 救出」
カナダ/南アフリカ制作。
シリアから亡命してカナダで暮らしてたけど、娘が「父の出自を知りたい」
ってシリアに入国して行方不明に。父ちゃん頑張って探すよ!って映画。
「96時間」を残念にした感じ。結構ストップしてたし、テンポは良くない。
最強の父親ってあおり文句は完全に失敗だと思う。
ただ、とても大変な区域であるのは伝わった。

「名もなき塀の中の王」
悪さばっかりしていた少年が少年院から刑務所に移され、ひどい目にあう話。
ボクシングを覚えたり、今まで知らなかった父親とあったりするんだけど
そういうところがメインというよりは、刑務所のしんどさの方が際立ってて
見ててとにかく痛くて苦しいっていう。もうひとつ見どころがほしかったかも。

「ハイネケン 誘拐の代償」
ハイネケンの社長を誘拐した犯人たちが最後ボッコボコにされる映画。
リアルなんだけどね。ちょっとやるせないというか……。

「シッピング・ニュース」
ケヴィン・スペイシーが久しぶりに見たくて。
全体的に暗い。物語の入り方も悲惨でな……。あまり気分は盛り上がらず。

「ドライブ・ハード」
入りは面白かった。銀行強盗に運転手をするよう強要される主人公、
元レーサーでドライビングテクニックは超一流!みたいな。
ところが物語も映像もモタモタしてて、爽快感がちっともないっていう。

「タイムリーパーズ」
気が付いたら知らない洋館にいた男女5人。
居たはずの場所も時代も違うのになぜ!?なんと、タイムスリップに巻き込まれていた!
という面白い導入だったんだけど、最後はなんも解決しないっていうミラクル作。

こんなところかな。
いまいちガツンとくるものがなくて、あらすじだけで選ぶの難しいなって思いましたとさ。
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2016-07-16(Sat)

「ボルケニオンと機巧のマギアナ」

ボルケニオンと機巧のマギアナ

ポケモン・ザ・ムービー、XY&Z、2016年の作品。
ポケモンの映画は19年目、19作目ということみたいです。
今年は短編はなし。長編のみガッツリやるスタイルでした。

本日公開ということで、見てきましたよ。
ちなみに今日から「ポケットモンスター サン・ムーン」の予約開始なので
こちらもバッチリ予約を済ませてきました。
ポケモンセンターでね!アートブックとフィギュアをもらうよ。

ポケモンはとにかく普段のアニメが良くて、
映画ならではの画面の良さ、みたいなものはありません。
いつもと同じくらいです。出てくるメンツが豪華かな。

今年は、カラクリ都市であるところのアゾット王国が舞台。
この国で作られた世界で唯一の人造ポケモンマギアナを巡って、
悪徳大臣と、マギアナを守り続けてきた野生の男前ポケモン・ボルケニオンが戦うことに。

悪徳大臣であるところのジャービスは、純真な王子をだまくらかしたり
神秘科学とやらで編み出した、強制メガ進化システム「メガウェーブ」を使って
ポケモンたちを操り戦わせたりしちゃうんです。

われらが主人公サトシは、あるアクシデントからボルケニオンと離れられなくなって
マギアナを巡る戦いに巻き込まれるのでした。


今回はとにかく、バトル描写がとてもよかった。
いや、普段もいいんだけど、多数VS多数の表現ってめったにないので。

とりあえず一発目に、ちょっとだけど「アランVSコルニ」が描かれてエキサイト。

その次、サトシとシトロンのトレーニング風景。
ホルビーVSオンバーン、レントラーVSピカチュウが熱い。
レントラー出てきちゃうと、ほかのやつら出られないねってとこがちょっとウケるという。

ボルケニオンはとにかく、かっこよかった。
しょこたんが興奮しながら良さを語っていたのも納得がいくというか。
ぶっきらぼうだけど優しくて、とても強くてね。
マギアナが人工物で、自分の意志というか、野生の心がなくてとにかく優しいから
守ってやらなきゃって思ったんだろなーーーーーーっていうのが素晴らしい。

ジャービスはメガ進化ポケモンをこれでもかってくらいそろえてきて、
サトシたちも自分たちの手持ちを全部出して戦います。
空中戦になったので、ああ、サトシの手持ちが飛ぶやつばっかりなのはこのためだったか!
みたいな気分に。
ファイアローに乗ってピカチュウが戦い、オンバーンに乗ってゲッコウガが出撃し、
いやーなんかもう、カメラワークも凝ってるし、
複数VS複数の描写がとにかくよかった。よかったとしか言えない。
それから、そういえば去年「なんだあのロボ、来年の映画どーなってんだ!」
ってなったのを思い出しましたよ。


展開はとにかくスピーディで、もうちょっと長くてもいい、と思いましたが
チビッコは途中でバタバタし始めていたので、たぶんこれが長さの限界なんでしょう。
短編もなく、ボルケニオンだけで一本だったのでね。
というか、自分の席の周りは女の子とお父さんの組み合わせがいっぱい座ってて
みんなめちゃめちゃやかましかったですw
これはもう仕方ないけどね。
でも、今回はシリアスだったから、もうちょっと黙っててほしかったかな。


今の主題歌である「XY&Z」がすごくいいのと、
あと、サトシゲッコウガになった時のBGMがかっこいいね。
ギュイーンって。もう、来週のショータ戦が楽しみでしょうがないです。

今週はカロスリーグがなかったので、かわりにといってはなんだけど、
映画で埋めてみた、みたいな感じ。

マギアナも本当にかわいかった。
最初のシトロン戦と、メガ進化軍団とのバトル描写ははやいとこもう2~3回みたいです。
XYシリーズを作り上げてきたスタッフの皆さまに本当、敬意を表して。
面白かったです。

2016-07-09(Sat)

ポケモンガオーレ

本当に間の悪い話なんですが、ちょっと前に「ポケモントレッタ」始めたんです。
なんとなくね。
映画のオマケとか、ポケモンファン(雑誌)の付録についてきたトレッタがたまってきて、なんとなーく気が向いて遊んでみただけなんですけど。

そのトレッタがあっさり稼働終了してしまって、七日からパワーアップした感じの「ポケモンガオーレ」が新しくスタート!

たまたま出かけた先に早速おいてあったので、誰もいなかったしいっぺんやってみようとトライしてみました。

事前にちょっとだけわかってたんですけどね。
お金かかるw

トレッタは、3対3のバトルで、ポケモンのチップみたいなのを置いて戦う。
3ターンの間に倒せればゲットできる確率が上がるし、最後に必ずどれか1匹は捕まえられた。
一気に3匹捕まえられた場合は、お金を追加すればもってかえれる仕様でした。
1バトル100円で、1匹は必ずもらえて、100円か200円追加したらそれで終わり。

ポケモンガオーレはまず、戦うのに100円。
2対2のバトルです。
こちらの手持ちは、最初のバトルは4匹まで持てる。
誰かがやられたら、交代で後から出せる仕様です。
で、制限時間内に素早い順に攻撃していって、倒せても倒せなくても最後はボールを投げる。
捕まえられたら100円でゲットできる。いらないならゲットしなくてよし。
自分の手持ちが残っていれば、ゲットしていなくても次のバトルへ移行する。
で、新しいポケモンが2体出てきて(一回目よりも強いのが出てくる)、
バトル続行するなら100円。
戦って、ボール投げて、捕まえるなら100円。手持ちがいればバトル続行で、新しく2体。
捕まえなくてもオタケビに寄って来たポケモンが現れて、戦うなら100円。

で、手持ちがいなくなったり、バトルをやめた場合。
草むらにクイックボール投げるチャンスがついてくる。
なにかしらボールに入って、連れて帰るなら100円。
自分の手持ちのガオーレディスクを差していた場合、グレードアップや進化のチャンスがあって、パワーアップさせるならそれぞれ100円。

筐体自体がものすごく大きくなって、大画面のバトルは迫力があるので、お金がかかるのはわかる。
1プレイの時間が長くなって満足感もあるので、お金がかかるようになったのは理解できた。

それにしてもお金めっちゃかかるなって思いましたけどね。
小さい子には厳しいかもしれない。
3匹ほしいよーって子は、最低でも600円かかっちゃうわけで。

お父さんお母さん方には少し厳しい仕様かな、と思いました。はい。
ディスクはいらん、子供にちょっと遊ばせるだけでええんじゃ!って場合は
100円いれたらちょっと戦えるのでいいかなと思います。
あと、いますぐゲットモードがあるので、そっちも活用したらいいのかしら。

あと、アイテムゲットチャンス!って出てきて、
サポートポケモンが出てくるかも?100円、みたいなこともあり。

手持ちがいない場合はレンタルポケモンもいるし、それなりに遊べるんだけど
グレードが4のポケモン異常に強くて手も足も出なかった……。
最初のうちは、ボルケニオンコース・ジガルデコースはやめた方がいいかも。
いきなり星4つのゲンガーが出てきて、素早いのなんの。
こっち攻撃してないのに終わっちゃいましたw


私が立ち寄るお店のトレッタコーナーには、
四天王みたいなハードなプレイヤーさんがおりまして、
みなさんそれぞれめちゃめちゃトレッタをいっぱい持ってましたけどね。
その中の一人に、自分のもってるポケモンが出ると筐体放置してどっかに行っちゃう人がいまして。
大人なんですよ、その人。
ボタン押さないと時間がめちゃめちゃかかるから、待ってる子が気の毒でした。
(トレッタもほったらかしてどっかに行っちゃうから次のプレイヤーも困るという)
その四天王さんがガオーレで同じことをしないといいなと思います。


ガオーレのディスクは成長要素があるし、
ディスクの取得をするかどうかも選べるので、放置し辛い仕組みにはなってると思うんですけど。

もしかしてああいうプレイヤーがいっぱいいたから今回の仕様になったのかな……
なんて思ったりしたキョン太なのでした。

2016-07-09(Sat)

狼少年の憂鬱

「狼少年の憂鬱」という話を書いていました。

もう6年近く前に、本当に唐突に小説を書き始めたんですが、
最初に書いたのがこの話で、その時は「狼少年の初恋」ってタイトルでした。

小説を読むのがとても好きで、20代の前半くらいまでは本当にアホみたいに大量に読んでいたんだけど、仕事がハードで読めなくなって結構経っていたんですよね。
むかーしむかし、TRPGが大好きな頃に一度自分で書いてみようって思ったことがあって、だけどその時は「無理」って思ったんです。他人に理解できる文章になってないって、すごく思ったんで。
グラフィックの仕事をしているのもあって、自分には文章で誰かになにかを伝えるのは違うとも思ってしまって、それっきりでした。

それから何年も経って、突然ですよ。衝動的に書き始めました。
それも、そもそもは箇条書きだったんですよね。
漫画の原作とか、そういうことができないかと思ったんで。

でも、その箇条書きも「読んでる相手に伝わらない」って思ったんですよ。
読み返してみて、これでわかるのかな?って。
それで詳しく書いたら、なんとなーく小説になった気がしちゃって、ちょっと頑張って、よし、書いてみようって考えて。
それでね、かけた気分になったんですよ。その時はね。

途中まですごい勢いで書いて、でも、それをどうするかは考えてなくて。
ただ、とにかく自分ひとりでやっていたら、最後までいけないだろうなって感じていました。
自分だけのために書くのは楽しいけど、いつ途切れても平気だし、頭の中で考えるだけならどんなパターンでも自由だし、どんどん都合のいい感じになっていってしまう。
そうなればますます、文章にする理由がなくなっちゃうんだろうなと。
それで、どうにかならないか調べていたら、小説家になろうを見つけたんです。
少し覗いてみたら、投稿されたものが読みやすくて、こんな風にまとまっていたら楽しいだろうなって思って、アカウントを作りました。

で、好き勝手にどんどん投稿して。
ちょっとだけど読んでくれる人もいて、それで最後まで書ききることができました。


ところが、私にはあんまり学がないし、小説を読まなくなって久しいし。
仕事でも文章なんて作らなかったんですよね。
企画書なんかは作ったけど、小説とはまったく違うわけでして。

だからもう、すんごいひどかったんです。
自分で「お、結構いいじゃん!」って当時思っていたものは。

内容も重苦しいし、いろいろ反省点が多すぎて。
もちろんこれがあったから、その次ができたんですけど。
私は本当に運が良くて、親切な人がアドバイスをくれたんですよね。
文章作法なんかについて、こういうもんなんですよ、って。
読んでくれる人が最初からいて、指導ってほどじゃないけど、アドバイスしてくれる人がいたんですから。
その方とは別に、相互お気に入りになったりとか、そういう展開もありませんでした。
本当にたまたま見つけて、親切に声をかけてもらっただけでね。

あの親切がなかったら、続かなかったと思います。
そういう意味で、私は本当に運がいい。
なので「狼少年の初恋」は大事な作品だったんですけども、そのあまりの出来の悪さにたまに耐えられないこともありました。

ほかにもいろいろ長編、短編を書いて、作品欄がごちゃごちゃしてきたのもよくなかった。
人生いろいろあって、なんか知らないけど意味もなくののしられたり、WEB特有の変なこともあったりして、で、結局、消しちゃったんです。残しておいてもよかったのにね。


そういう後悔をしていたところに、去年なぜか同じような時期に立て続けに、
再掲載してください、ってメッセージをもらったんです。

じゃあ、そのままじゃなくて、ちゃんと書き直そうって思ったんです。
文章力はそこそこ止まりの私ですが、あのころよりはまだマシになったはずだから。

タイトルを変更したのは、もともとこうしようと考えていたからです。
あのころ、同じタイトルがないか心配で検索したら、
かなり近いものが見つかったんですよね。連載中のものが。
なので遠慮したんですが、もう時間もだいぶたって状況も変わったんで。
初恋ってダサくないかなと思っていたので、変更しました。

で、文章だけ直そうと思ったら、結構あれこれ変わったところもあって。

再掲載してくださいとか、してくれてうれしいですって声はいくつかあったんだけど
そういう方々からの反応ってここまでほぼないんですw
ただ読めればいいってことなんでしょうけども、
もしかしたら変更点が気に入らなかったのかな……。

だったら申し訳ないので、ここで謝っておきますね。ごめんなさい。

初恋を書き上げたときにもらった感想と、この5年で私自身が変わったのと。
そういう理由で、ちょっとだけ変えてます、設定を。


せっかくだから、ここになにが変わって、どうして変えたのか書いておきます。

・玲二がちょっとバカになった

 →いくらなんでも気取りすぎだって思ったからです。
  見た目も頭も良くてモテるのに、恋愛ダメって話にしたかったんですけども、
  それにしても紅茶と読書が好きで成績も一番とか、やりすぎだったので。
  15歳の男の子らしい部分も出そうと、偏差値を少し低くしました。

・良太郎の出番が大幅に減った

 →玲二といつき、二人を食っちゃってると思ったんですよね。
  万能すぎて使い勝手が良すぎた。だから、削りました。
  「初恋」の感想に、玲二と良太郎のBLとして読んだ、ってきたのも一つの原因です。
  いつきの存在感を上げるのが「憂鬱」版の使命のひとつでした。

・玲二の母が弱くなった

 →お母さんがムカつくっていっぱいいわれちゃってね……。
  かわいそうで、つい。
  あとは玲二の設定をひとつ際立たせるために、ちょっと弱めにしました。

・龍との絡みが増えた

 →前半、玲二の運命の日までの流れはほぼ同じで進んだんだけど、
  後半からはかなり内容を変えました。
  「初恋」の時、全然書ききれなかったんです。初心者すぎて。
  構成もすごく悩んで、これは二人の恋の話なんだから、二人の恋だけを追わなきゃって
  そう考えて、こじんまりさせすぎたなと思ったんですよね。
  なので「憂鬱」では、人間じゃないんだって部分をクローズアップしてます。

・第三者視点をカットした

 →基本的に、玲二といつきの二人が交互に日々を綴るスタイルで書いてたんですが
  「初恋」版では玲二の母、ライ、良太郎視点の話も混ぜてました。
  でもそれって、ズルじゃないかなーって思ってしまって。なのでカット。
  最終話は前の方がスッキリまとまってていいかなという気もしつつ、
  最後の最後でブレるのもかっこわるいかなと、いつきで締めました。
  一路と迷ったけど、でも主人公はあくまで二人なので。


一方に秘密がある設定なので、一人称交代制で書いたらいいんじゃないかって思ったんですが
一人称って難しいですよね。本当に。これでよかったのかどうかはわかりません。

サブタイトルは時々もとのまま、視点変更のタイミングはズレました。
章のタイトルはイメージソングみたいな感じで、曲名になってます。
前はスピッツの「甘ったれクリーチャー」を脳内テーマソングにしてたんですが
今はさかいゆうさんの「薔薇とローズ」に変わっています。
あの曲と出会ったから、ちゃんと書き直せたんじゃないかと思っております。

とにかくなんにせよ、最後まで書けて良かった。

「初恋」版は、前半が40万字、後半が25万字で合わせて65万字くらいでした。
今回は統合して60万字。ぴったりです。Nコードは9999、完結は7月7日の7時。
数字だけならパーフェクトだ。


最後の方、書いてて思ったのは、これって「ブラックドラゴン」だなあってことです。
「俺のスイートハートは最強のブラックドラゴン」という話がありまして、
私はこれを、狼少年のセルフカバーとして書いてます。

普通の子と、人間じゃない存在との恋愛で、肉体関係が大きなハードルとして立ちふさがってくる。
一見違うように見えますが、中身は同じ、味も一緒です。
世界観も同じ。
具体的に言うと、「狼少年」の10年後の世界が「ブラックドラゴン」です。
あとは、「愛と憎しみのエリィ」ですね。これは「狼少年」の5年後くらいの話かな。

「ブラックドラゴン」には葉山良太郎が、
「愛と憎しみのエリィ」にはカラスが登場します。ちょっとだけね。

世界観考えるのって大変なんですよね。
だからたまに、こんな風にささやかにつなげてみたりしていますよ。


あと、「初恋」にはオマケがあったんですけども、
それはまた後日、用意しようと思ってます。
そのままいけるかなと思ったんだけど、設定変更されたところがあるので修正して。
すっごい下世話な話なんでやめようかと思ったんですけど、約束したのでアップします。

2016-06-30(Thu)

「シビル・アクション」

「シビル・アクション」

1998年のハリウッド映画。古いね!
実話をもとにした作品でした。
主演はジョン・トラヴォルタ。

主人公のジャン・シュリクマンは弁護士なんだけど、
基本的に傷害事件を得意としており、
最初にぶっちゃけてくるんだけど、
被害者がどういう状態だと一番稼げるか、なんて
ものすごく下世話な基準を設けている。
弁護士の報酬のあり方というものがはっきりしているので、
確かにきっと、白人の専門職、40歳で稼ぎ盛りの既婚男性の担当が一番儲かるのでしょう。
そして一番お金にならないのは、子供の被害者なんだ、でナレーションは終わり。

そんなお金にならない案件を、ある日持ち込まれるのです。
ラジオで法律相談をしていた時に、生電話でののしられるという形で。
2年前に依頼したのに知らんぷりなのかと言ってきたのは、
マサチューセッツのある街に住むひとりの女性で、
息子を白血病で亡くしています。
元気だった子がいきなり病気になって、あっという間に死んだ。
息子の死に納得がいかなりアンには、裁判で争う相手が見えていないんです。
なのでジャンはこの依頼は受けないと決めるんだけど、
スピード違反で取り締まりを受けた時に、見つけてしまうんです。
どうしてこの土地で急に白血病にかかり、子供が次々死んでしまったのか。

大企業の工場が並んでいて、そこからなにかが垂れ流されている。

これはビッグビジネスの予感!と、ジャンはこの依頼を受けます。
たくさんのこどもの命を奪ったのは、工場から出された発がん性物質であり、
そのあたりに適切ではない方法で廃棄されたから、井戸水にしみこんで、
健康被害がでてしまったんだと。

最初はいっちょ金もうけするか!ってな意識のジョンでしたが、
子供を失った親の哀しみ、勤め先を裏切りたくはないけれど、
汚染された土地で子供を育てている従業員の証言などを得て、
さらには企業側の弁護士のやりくちに腹をたてて、
少しずつ、忘れていた「正義の心」を思い出していくんです。

最終的には相手にしてやられまして、
事務所のお金はなくなり、所属していた弁護士は全員家を抵当に出され、
本当に1セントも払うお金がなくなり、みんなバラバラになってしまい、
やむを得ず相手の和解案に乗らねばならなくなりました。

本当にどん底に落ちてしまう、ジャン・シュリクマン。

彼は小さな小さな事務所を街角に構える羽目になるんだけど、
それでも情熱を失わない。
むしろ、失うものがなくなったから、パワーアップを果たす。
自分の信念を取り戻し、もう一度証拠を探し出して、再び法廷に立つのです。

弁護士ものっていろいろありますが、
弁護士ものの王道って感じの話でした。
弁護士になりたてのひよっこか、慣れ過ぎて金の亡者と化したベテランが、
本当の正義とはなにかに出会うみたいな話のひとつです。

でも、実際にすべてを失って、それでも立ち上がって被害者を救った人物がいるんですもんね。
ジャン・シュリクマンはこの後環境問題専門の弁護士になったのだそうです。
潤沢な資金を持っている相手は強いw 
この作品は、企業側の弁護士を演じているロバート・デュヴァルがすごくいいし、
ジャンの事務所で経理を担当するウィリアム・H・メイシーがすごく良かったです。

結構前の映画なのに、不思議と古臭さも感じませんでしたよ。
レインメーカーはあんなに「古っ」って思ったのになあ。