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2016-09-13(Tue)

「コンフェッション ~ある振付師の過ち~」

「コンフェッション ~ある振付師の過ち~」

2014年、アメリカの作品。
もともとはブロードウェイの戯曲とかいてあったので、舞台作品だったのかな。

主演はパトリック・スチュワートだから、
X-MENのプロフェッサーだしスタートレック。

主人公のトビーはニューヨークでバレエの振付師をしている元ダンサー。
現在はひとり寂しく暮らしているんだけど、
そんな彼のもとにインタビューをしたいと一組の夫婦がやってくる。

アメリカのバレエの歴史をまとめたいということで、
世界中を巡ったトビーの話を聞きたいはずが
なぜか彼の若かりし頃の女性関係ばっかり聞きたがるインタビュアー夫妻。
なんでそんなことを聞くかとさすがに怒ると、
旦那の方が実はトビーが昔遊んだ女の息子だった。

あなたが本当の父親だろう?と迫る推定息子。
そんなことない、とつっぱねるトビー。

最終的には力づくで押さえつけられ、口の中を綿棒でガリガリやられる。
DNA鑑定のための細胞をゲットし、夫は鑑定へ走るが
そんな無茶をした夫を申訳なく思い、妻はトビーに謝る。
そこからこう、真実が……という話。


もとが舞台だとわかると、なるほど感が出てくるかもしれない。
なんてったって話が劇的すぎるし(普通の人間は親子関係を探るのにあんな真似はしない)
会話がかなり下世話なんですよ。
若いころは遊びまくったわー
女抱きまくったわー
みたいな昔話をする老人のかなしくも滑稽な様子、という描き方がまず
現代の映画らしくなくて野暮ったい。というか、聞いてられない感じがすごい。

トビーはやってきた男について、自分の息子だという意識があるんです。
相手の女性からもいわれていたし、心当たりもあったから。
だから過去にはそっと援助もしたし、心にずっとかけてきた存在ではある。
だけど父親であることを放棄したし、いまさら父親面できないって思いが強いので
父親だと言い出せないし、冷たく追い払ってあきらめさせようとするんだよね。

ところが、父親がいないことが夫婦に大きな影を落としていると知って、
奥さんの方には心を開き、過去や心の強く持つ方法なんかを話す。
夫婦がだめになりそうな時に肝心なものは……のあたりは腰砕けなんだけど
どうして舞台だとこういうセリフ出しちゃうんだろうね。
文学的ってことなのかな、こういう猥雑な感じをあえて出すスタイルが。

とまあ辟易しながら見ていたら、案の定。
二人は実の親子じゃないんです。

いいように解釈すると、長年お互いをしばりつけていた
「親である人」「息子である人」という鎖がほどけて自由になれた。
という終わり方。

あんまりいいように考えなくていいなら
「しょーもない」
ですんじゃう感じ。

あまり共感できるところがないので(みんな悪い面の方が強く押し出されている)
「しょーもないな……」と思いつつ、でもまあ、現実にもあるかもなあと思うと
解放されたのはきっと幸せだし、よかったのだろうな、みたいな気分になりました。

バレエの振付師の話だけど、バレエのシーンはほぼゼロです。


ポケモンGOは本日、イワークがたまごから出てきました。やった。
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2016-09-12(Mon)

自分で自分をほめたい時もある

最近忙しい理由はいろいろあるんですが、
そのひとつが地域のためのボランティア的な活動のためです。
去年もやったんですけど、バザー用に手作り品とか作ってて

子供が買える値段でイヤリング……っていう。
去年ちょっと作ったらあっという間になくなったので
今年はもう少し数を増やそうかなんつって



樹脂粘土とレジンあたりで作りましたが、疲れました(笑)。
途中からもはや業者じゃないの……ってな勢いで
最終的に給料が欲しくなったっていう。
ただ、出来は結構ほめられたので、よしとしようかなって。
包装もちゃんとやりました。マステを集めてきた甲斐があった。

来年はもう多分やらなくて済むので、これで作り納めだ的なサービス精神でGO。

これ以外にもブレスレットやストラップなんかも作ったんだけど
人のためになら結構やれるなーって思いますね。自分のためにはできない……。

そのほかにもなんだかんだ+新しい病院にかからなきゃいけなかったりして
趣味にとれる時間がないんだよね。
最近のゲームはもっぱらポケモンGOです。ゆるゆるやるスタイルのポケGO。
まだ半分くらいしか図鑑が埋まってないのは
あんまり長距離歩かない+新しい土地に行ってないからなのかな。
ポッポコラッタポッポポッポズバットズバットコラッタヒトデマン
みたいなループで。
ポケストップとジムはいっぱいあるんだけどポケモンはそんなに出ない。
いつの間にか最寄り駅、ジムが3つになってるし。


でもたまーに、そんな私にご褒美もあるんすよ。


たまごからパウワウが

これは野生で出てきたユンゲラー

とうとう出てきたピカチュウ!やっと!ちなみにたまごから。
そして

野生のサイドン。

サイドンの画面みたらわかるけど、サワムラーはいない……。

ひこう・みず・どくタイプはめっちゃ捕まえてるみたいだけど
(ズバットのせいでどくタイプのカウントがかなり多い)
でんき・はがね・こおりはからっきし。

今週ようやくPlusも出るみたいだけど、争奪戦になりそうだし
これからもゆるゆるプレイしたいなーと思います。はい。


2016-09-06(Tue)

「ナイト・チェイサー」

「ナイト・チェイサー」

2015年、フランス産映画。
WOWOWでやってる映画の中であらすじに惹かれたものを
かたっぱしから録画して、その時のタイミングにあう長さのものを見ているんだけど
最近やたらとフランス映画に当たるなーって思いながら見ました。

なんていうか、すごく不思議なテイストの一本でしたよ。

主人公は二人のちょいワルな若者。
クリスとリュックは久しぶりに再会してウェイウェイし、
タクシー料金を踏み倒して逃げる。
最初からそのつもりだったわけじゃあなくて、
多分「まーいいじゃん!」みたいな感覚だったと思うんですよ。
それでパーティに出てまたウェイウェイするんですけども、
そのパーティはなんでもありで悪の匂いがプンプン漂う感じ。

で、会場を出たらタクシーが止まってるんです。
もしかしてさっき料金踏み倒したから?なんて思った二人は逃亡。
だけどタクシーは追ってくる。すんごい追ってくる。どこまでも追ってくる。

そういう話。

サスペンス、スリラー、B級……みたいな感じで見ていると
このタクシー運転手が想定していたよりもずっと強くてビックリ。
悪い友達の家に逃げ込んだら、運転手が乱入してきて
友達全員あっさりぶっ殺されて更にビックリ。
やってきた警察官たちも、一緒になってぶち殺されてまたまたビックリ。

どういうことなんだこりゃ……って半分終わったところで興味津々。
どうやら、あんまり悪くない人は殺さないみたいなんですよ。
犬を連れた警備員はぶっころすけど、犬ちゃんは大丈夫。
わいろを受け取らない警察官はいい人だから、大丈夫。

で、クリスとリュックは過去にあったある事件を思い出します。
お酒飲んでウェイウェイしてた時に、ホームレスの男性に絡んでお酒をぶっかけた挙句
(しかも相当下品な感じでかける)、うっかり火だるまにしちゃうんです。
事故なんだけどね。だけど救助をせずに逃げてしまった。

クリスはちょっぴり良心があるんですよ。リュックよりも。
タクシーの料金踏み倒した時にも、お金なくてごめんなさい!って一応いうし、
火だるま事件の時にも助けなきゃ!って思ってはいるんです(助けないけど)。

その結果、リュックだけが連れ去られます。最後、タクシーに乗せられて。
意味深にあがっていくタクシーのメーターがたびたび映されるんですが、
リュックが乗ったらメーターはリセットされて。

で、気が付いたらリュックは素っ裸で寒々しい独房に閉じ込められている。


最後は「えーマジかー」ってなるんで、もし見たいなら
ネタバレは読まない方がいいと思います。

一応書いておくね、小さい字で。





謎のタクシードライバーの正体は、もともとは悪いやつだったけどその分の因果をちゃんと善行で取り戻さなきゃいけないちょっと過激な世直しマンなんです。
なんかサムライっぽい精神を叩き込まれて、世界をよくするために生きなきゃダメになっちゃった人たちの時空がこの世にはありまして、リュックはその教えを叩き込まれて(手記みたいなものを読んで目覚め、独房でちょいちょい体を鍛えだすという)、自分をさらったタクシードライバーと一緒に夜を駆け、世間にはびこるクズをボコボコにしていくのだ!




こんなオチで「わーなんだそれー」ってなりました。
納得いくとかいかないとかそういう感覚の前に、そうきたか……って感じでね。
映像は序盤はスリリングで、時々B級らしい面白味もありまして、
見ていてつまらないことはないです。音楽はかなり大げさで、一回吹き出しました。

予想外のエンディングであることは確かですが、決してうまくはないです。
ただ、憎めない妙な可愛らしい雰囲気があって。
スリリングでサスペンスなんだけど、なんかわかんないけど総合するとファンシー。
そんな感じの不思議な一本でした。短いので試しに見てみてもいいかも。

フランス映画だけど、英語の方が多かったかな。
(クリスがあんまりフランス語ができないらしい)
なので、フランス語の独特の雰囲気に慣れない人にも見やすいのではないでしょうか。

2016-09-05(Mon)

「ナイトクローラー」

ナイトクローラー

2014年、ハリウッド映画。
事件や事故の映像を撮るカメラマンの話、というと語弊があるかな。
警察の無線を傍受してだれよりも早く現場に駆けつけ、
被害者がいようが犯人がいようが関係ない、
刺激的でダイレクトな映像を撮って、テレビ局に売る
事故映像専門のパパラッチが主人公。
ナイトクローラー、夜を這い回る者、みたいな感じかな。

結構衝撃的な内容でした。

主人公は、現在無職でコソ泥でなんとか食いつないでいる男、ルイス・ブルーム。
冒頭からちょっとマトモじゃなさそうなんです、ルイスは。
明らかに入ってはいけない場所に入って、注意されて、
笑顔でごまかそうとした挙句、警備員にアタック。
勝手にフェンスを切り取って売りさばき、
売り込んだ先で就職活動を開始する。
そこの社長には、コソ泥なんか雇わないよって言われて、
そうっすよねなんて笑顔でかえっていくんですけど……。

この後ルイスは偶然交通事故の現場に遭遇して、
被害者を救出しようと頑張る警察官を撮影しているところを見るんです。
その映像は、次の日の朝のニュースで流れる。
事故や事件の決定的な映像は売れる、ビジネスになると理解し、
盗んだ自転車を元手にしてルイスはカメラを手に入れ、
パパラッチへの道を歩み始めるんですけども……。

この映画のパッと見の訴えっていうのは、
人としての倫理観ってどうなのとか、テレビで見せられているのは誰かの作り上げた
編集済みの勝手な物語なんだ、とかそういうものだと思うんですけどね。

それよりなにより、主人公のルイスが怖い!
カッと見開いた目は相手をじっと凝視し、
彼だけの勝手なルールのままに会話が運ばれて、
大した愛情も情熱もなさそうなのに体の関係を求め、
より認められるためには手段を選ばなくなっていき。
最後の事件に関しては、本当に超えてはいけない一線があったのに
彼は軽々と飛び越えちゃうんですよね。

そういう人物がいるから、より刺激的な映像が撮られるし、
より刺激的な映像は話題になり、視聴率に繋がる。
もっともっと、の構造はこういうとこにあるんですよね。
もっと強く、もっと早く、という要求から、
カメラを持った人たちも理性をどんどん失っていく。
ブレーキはきかなくなって、大事なものが壊れてしまうっていう。

いや、ルイスはそもそもブレーキがきかないタイプだったようですけどね。
あそこまでやらなきゃいけないものなのか……
って思う自分が正常であってほしいと願わずにはいられないというか。

ルイスのやりすぎは、映画だからね、って言えるものなんですけども
だけどこういう人、本当にいるんじゃないかなって恐怖も感じるんです。
人間っていったいどうなっているんだろう。
ここまで非情に、良心のかけらも持ち合わせずに生きていけるものか?
ルイスの強烈な「認められたい」という気持ちを、
理解できるようなできないような、とにかく見ていて心にトゲが食い込んでくるような
恐ろしい映画でございました。


残酷なもの、なまなましいもの、性的なものに関しては、日本でもいろいろと
もっと刺激的なものをというスレスレのチキンレースが続いていると思ってます。
あいつがここまでやったなら、こっちもやらなきゃっていう
より売るための道具として、良心が削り取られていく感じ。
ここまでしてはいけないという声も、結果、お金の前には無力です。
たとえ誰かが傷ついたとしても、たとえ多少のウソが混じったとしても。
視聴者、読者が求めるから……だからより過激に!っていう流れですよね。
なんとか止まらないかなって、いつも感じています。
だから余計にこの映画は、刺さったなーって。

主演のジェイク・ギレンホール、すごかったですね。
あんな危ない目をした男ではなかったと思うんだけど。
他の映画ではみたことのない鋭さで、すごい存在感でした。
これは本当に、見た方がいい映画だと思います。
いけないんだよーこういうのはー といういい子の主張の奥に隠されたあれこれを
特に若い子には見てほしい気がいたしました。

2016-09-04(Sun)

「彼は秘密の女ともだち」

彼は秘密の女ともだち

2014年、フランスの作品。

まだ少女の頃に出会った、クレールとローラ。
親友をちょっと超えたくらいの仲の良いふたりが大人になって
それぞれにパートナーに恵まれ、ローラは出産。
だけど彼女はその後亡くなってしまい、
夫のダヴィッドと娘のリュシーは私が守るわ、なんていうんですが
長年の親友を失ったショックはなかなか大きなものでして、
仕事も全然手につかないクレール。
一週間の休みをもらって、なんとなくローラの家へ向かいます。
すると中では、リュシーをあやす女性の姿が。

ローラの夫、ダヴィッドが女装してたんです。

ローラを失って、娘が落ち着かないから衣服を身に着けて……
なんていいわけをするダヴィッドですが、
実は昔から女装癖があったとのこと。
驚いたクレールは彼を変態じゃないかと罵りますが、
このことはローラも承知していたし、
結婚している間は収まっていたんだよとダヴィッド。
ローラの女性らしさがそばにあったおかげで満たされていた。
だけど失ってしまった今、足りなくなって、再び女装に手を出した、と。

ダヴィッドは終始まともな様子でして、
肝心な時にはちゃんと男性の姿で現れます。
クレールは戸惑いながら、悩めるダヴィッドを受け入れ、
ローラを失った悲しみを二人で埋めていくんですけども……。

というお話。

クレールと「秘密のともだち」になった女性には
ヴィルジニアという名前がつけられます。
ダヴィッドの女装はだんだんグレードアップしていって、
ローラの服を自分で直して着たり、見えないところまできっちり脱毛したり、
ウィッグもいろいろ試して、化粧もしっかりします。
クレールはすごく飾り気のない女性で、いつもモノトーンなんだけど
ヴィルジニアはとても女性らしい色を身に着け、オシャレなんです。
新しいともだちができて、クレールの心は少しずつ満たされていくものの
周囲から怪しまれたり、ヴィルジニアはとうとう「女性になりたい」し、
さらには、クレールを愛してしまう、という流れになるんです。

ダヴィッド/ヴィルジニアは体は男性なんですけど、
心理的には完全に女性だった。
さらに、同性愛者だったんだなあ……って話なんですよね。
ローラは敬虔なクリスチャンだったらしいんですが、
ダヴィッドについて本当に知っていたのか疑問が残ります。
同性愛は聖書でははっきり禁じられてますもんね。

二人は一線を超えそうになり、でも最終的にはやっぱりダメ、と。
ヴィルジニアに迫られて、クレールはこういうんですよ。
あなたは男よ、って。
ローラの夫だから、親友を裏切れない、という意味なのか
私たちの愛は女性同士のものなのに! という意味なのか
どっちもなのかなあ。


ひどい言葉を投げつけてしまったクレールは深く後悔をして、
事故にあってしまったダヴィッドというか、ヴィルジニアの回復を祈ります。

そして最後の最後は、とても意味深なシーンで終わり。
クレールのおなかは大きいけれど、誰の子なのかな。
夫の子か、それともダヴィッドの子か。
だけど彼女たちは二人とも女性。妊娠するかな?みたいな。

親友になっただけの二人なのか、
少し複雑な形の女性同士の恋人なのか。
なんにせよ、自分のいたい形で暮らすヴィルジニアの笑顔には
なぜかちょっぴりほっとしてしまったりして。

味わい深い、不思議な愛のお話でした。
こんな話だと思ってなかったので不意打ちでしたが、面白かったです。



あとは、同じくフランス映画で「復讐のセクレタリー」。
息子を事故で失った女性が復讐に行く話なんですが、
わりとどストレートなやり方でまったくひねりがなく、ある意味で相当リアルな感じ。
映画としてはどーなんだろなって感想しかないっていう。

そして「アレクサンダーの、ヒドくて、ヒサンで、サイテー、サイアクの日」
っていうのも見たんですが、まあ、うん。大変だったね。みたいな内容。
こちらはハリウッド映画ですね。
もうちょっとテンポがいいとよかったかな。
面白いんだけど、もうちょっとスピーディでよさそう。