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2017-05-06(Sat)

「スウィート17モンスター」

スウィート17モンスター

現在公開中の作品。新聞で紹介されていて、こりゃ見なくては!と
病院へ面会へ行った帰りに映画館へ。
新宿のシネマカリテ、初めて行ったんですけども
朝のうちにもう夕方までの上映が売り切れちゃってて。
少し遅い時間のチケットを予約していきました。
武蔵野館と同じ小さな劇場で、スクリーンも小さい。
なんというか、濃い映画好きが集ってる感じがあって面白かったです。


主人公は17歳の高校生ネイディーン。
イケてなくて周りにちっとも溶け込めないイタタな女子高生には
イケてる兄貴が一人と、生涯で唯一の友人クリスタがいる。
その辺の適当な高校生なんかクソ食らえスタイルのネイディーンなんだけど
ママが留守の間にクリスタと盛り上がっていると
兄貴も友達を連れてきてパーティを開始。
ふてくされ、酔いつぶれてトイレで寝ていたら
その間にいつの間にか兄貴と親友ができあがっていて……。

というお話。
唯一無二の親友が、にくたらしい兄貴によってリア充の世界の住人になっていき、
寂しいわ悔しいわ腹立たしいわで怒り心頭のネイディーン。

だったらアタシだって、アタシだって……!
って思ったけど、全部が全部空回りしちゃう、という
暗黒青春アイタタムービーでした。

ほんの少しだけね、まあいいか、って思えたら
ネイディーンの世界はだいぶ快適になるはずなんですよ。
だけどそこで「うん!」って言えないのがヒネクレ者のつらいところで。
っていうのがものすごくわかるわかる、ああ、超わかるってなって
正直もう突き刺さって痛くて、その上で本当にこの主人公かわいい!
ってなる映画でした。本当に、ただいま人生の暗黒部分を全力疾走中で、
全然半端なところもなくて、やりきった感のある素晴らしい一本。

ネイディーンは足も長いし本当はかわいいんだけど、
世界に迎合すんのが嫌なんだよね。
そういう、妙なプライドが生まれつき備わったタイプで、
いろいろと心当たりがある自分にはものすごくストライクで
今の年齢だから楽しいとかかわいいと思える映画よなあってしみじみ。
もうちょっと若かったら直視できなかっただろうと思います。

学校の先生役のハレルソンがものすごくいい味を出していて、
ハマってましたね。
クリスタはちょっと17歳にしては完成度が高すぎるというか
声の落ち着きっぷりが40代くらいに思えて
それがまたネイディーンを包むのにちょうどよかったのかなあとか。

にしても、あのあと変な噂とか流されなかっただろうか
ちょっと心配になってしまう。がんばれよ、ネイディーン。

とにもかくにもいとおしい映画でした。

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2017-05-01(Mon)

通院生活

身内が手術を受けて入院しているので、付き添いで泊まり込んだり通院したりしております。
持病があって、それでちょいちょい病院のお世話にはなっていたんですが、
手術はいつものところでは受けられず、引き受けてくれるところを探すのにまず一苦労。
無事いいところが見つかったのはいいけれど、家からはちょっと遠いんですな。

最初の一週間は付き添いで泊まり込みだったので、
PCを持ち込んでなにか書いていこう、と思ってたんです。
そのためにわざわざPCを替えたというのに!
持ち運びやすいだろうとsurfaceに変えたっていうのに、
いざ入院生活が始まったら結構忙しくって触るヒマがなく、
結局開く時間は一秒たりともなかったという……。
単純に1キロくらい荷物を重くしただけで、
ようやく付き添い入院は終わったものの、
あれやこれや決めたり洗い物を運んだりしなきゃいけなくて
結局バタバタしっぱなし。PCはあけてもメールみるだけくらいしかできなくて
移動時間もボヤーっとするばかりで自分のことはなにひとつできてない今日この頃です。

家にいてできるのも家事くらいしかなくて、
洗濯物を畳んだり、アイロンをかけている間だけが自由時間。
そんな中映画を何本か見たのでオマケに小さく感想をメモしておく。



「スピード」

キアヌ・リーブス主演の有名なやつ。
なんか流行ったわなーってことくらいしか印象になくて申し訳なくなるくらい面白かった。
一定以上のスピードを出すとスイッチが入り、一定のスピード以下に落とすと
爆発する爆弾を仕掛けられたバスをどーにかするぜ、というお話。
シュっとしたキアヌがかっこよかった。
ついでに結構好きなサンドラ・ブロックがかわいくてよかった。
最後は地下鉄も暴走して終わり。
やっぱりエンタメ系の映画はスピード感っすな。

「ノック・ノック」

こちらもキアヌ・リーブス主演の最近のやつ。
妻と子供たちがバカンスに出かけ、一人お留守番するキアヌのもとに、
二人の女の子がやってくる。
豪雨の中タクシーを下ろされて、しかも行きたい場所とは全然違うところに来て
ケータイは水没しちゃうし、行先の住所はわかんないし困ってるのー!
と言われたらついつい助けちゃうでしょう。
助けた女子たちは最初はおとなしかったものの、
シャワーを貸したところから豹変する。
二人がかりで猛烈に誘惑されて、うっかり応じちゃうよいパパよい夫のキアヌ……

その報いは地獄のごとき激しさで彼を襲うのだった!

みたいな話。
もちろん、よくはない。若い女子に誘われたからってヘイヘイ応じちゃダメなんだけど
それにしたってそこまでしなくてもいいじゃない!
って言いたくなるほどの無情、容赦のなさに最後までアワアワしました。
胸糞が悪くなること間違いないなしなので、ドSか浮気者に殺意を抱いている人向け。


「リベンジ・マッチ」

昔ボクサーだった男たちが数十年ぶりに因縁に決着をつける話。
スタローンVSデ・ニーロです。
わりとガチ。
愛した女と息子、孫、との絡みがあって、
単にライバルだった二人、ですまなかったところがよかったかな。
最後の死闘ぶりは本気でやりあってんじゃないか……って思わせる。
その辺がさすがだなって思えますね。


ほかにもみた気がするけど、途中で寝落ちしちゃったのかまったく覚えておらず。
明後日健康診断なんだけど大丈夫かなー。

2017-04-13(Thu)

「ルーム」

ルーム

2015年、カナダとアイルランドの制作。
アカデミー賞の主演女優賞を取ったということですが
納得のいく内容でした。
というか息子役の彼に素晴らしいで賞をあげたい。上手すぎ。


5歳の男の子のジャックは、ママと二人だけ、狭い部屋で暮らしている。
彼の世界はただただそこだけ。
なぜなら、ママはある日突然拉致・監禁され、
オールド・ニックという名の男に閉じ込められたままだから。

ジャックの5歳の誕生日の日に、運命は動き出す。
テレビを通じていろいろと知っているものの、
ジャックの世界は小さな小さな納屋の中で完結している。
成長した息子に、母はとうとう脱出するための計画を持ち掛け、
命を賭けて実行し、そして解放されるのだが……。

という話。

前に見た「マーサ、あるいはマーシー・メイ」って映画もでしたが、
監禁されている、洗脳されている、って話じゃないんですよね。
特殊な状況下で縛られていた人間が自由な世界へ出たら……
って話なのです。

かつては自由に暮らし、帰る家があるママと、
外の世界を一切知らないジャック。
すぐにでも家に、家族のもとに帰りたいママの意向で
入院を切り上げて実家に戻るんですけどね。

やっぱり普通じゃない状況で暮らしていたのは、
大きな鎖になって二人を縛っておりまして。

広すぎる世界、ママと、時々姿を現すオールド・ニック以外の人々。
対応しきれずに戸惑い、普通のこどもにジャックはなれない。

帰る場所が少しばかり変わっていて、
肩身が狭かったり、ジャックの特殊さを思い知らされ、
そして自分に降りかかった不幸の大きさを改めて突き付けられ
心が壊れそうになってしまうママ。

どちらも、そして突然娘を奪われた家族も、みんなかわいそうでね。
詰めかけてくる興味津々の住民たちとか、
生活費のために受けた取材、インタビューで突き付けられる
鋭すぎる言葉のナイフとかね。
ただただ普通に暮らしていただけの人が、
唐突にむちゃくちゃな悪意を向けられて、
人生を破壊されてしまうことって、
現実にあるのよなあってしみじみ。

日本でも時々起きる、監禁事件ですが
その被害者に向けられる言葉、非情だよね。
なにも知らないのに、もしかしたら、ひょっとして、なんて
簡単な「自分の常識」ではじき出した意見を
好き勝手にぶつけ、語る部外者のなんと多いことか……。

SNSの普及によって、無責任な発言が世の中にあふれるようになりました。
全部にちゃんと「個人の感想です」って書いておかないとね。

想像を絶する不幸を、同じように体験することはできませんから、
だからなおさら、自分の言葉に責任持つようにしないといけないなとか、
そんなことまで考えてしまいました。


にしても、ジャック役の子がかわいくて……。
しゃべり方はあえてあんなに拙くしているのかな?
アカデミー賞に出席していましたが、かっこよかったもんね。
彼の演技が素晴らしかったからこそ、作品も映えたのだろうなあと思います。
ブリー・ラーソンもすごかった。いい作品でした。

2017-03-26(Sun)

ブレスオブワイルド

ニンテンドースイッチを運よく発売日にゲットできまして、
それで「ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド」をプレイしていました。

ゼルダで遊ぶのは、据え置き機だと「風のタクト」以来。
ゼルダの伝説は結構好きなんですが
そこまで熱心なファンではありませんで、
時系列がどうとか、ガノンの形状がどうとか、
コアな話題にはついていけない程度です。

初めてプレイしたのは64版の「時のオカリナ」。
あとはムジュラ、不思議な木の実、GC版の風のタクトを夢中で遊んで、
本当に久しぶりなゼルダの伝説プレイ。

事前に、GCDXでよゐこの濱口さんが試遊しているのを見て
わあ楽しそうだなあって思っていたくらいなんですよ。
他にスイッチで遊べるソフトもなくて(あるけど)
まあゼルダやるかーって程度だったんですけどね。

だけどですよ。
こんなに気持ちのいいゲームある?
って全力でみんなに聞いて回りたいくらい
よくできたゲームでした。
映像は美しかった。もっと美しいゲームもあるんでしょうけど、
なんというのかな、リアルと虚構のはざまのちょうどいい部分に落とし込んであって
景色が変わっていくさまをみているだけでなんだか心が熱くなるというか。
サブタイトル通り、野生の息吹を感じる出来でね。

最初はなにもわからず、謎のじいさんのアドバイスを聞くだけのリンクが
記憶を取り戻し、少しずつ強くなって、
かつての仲間たちについて知っていって。

あまりにも大きな敵と戦うことになってエキサイトしたり、
必死になって崖を登って行ったら信じられないくらいヤバい敵とひょっこり出会ったり。
戦っていいし、逃げてもいい。
上ってもいいし、回り込んでもいい。
真正面から乗り込んでいいし、こそこそと隠れてもいい。
その場にある道具と、知恵でどうとでもできるようになっている謎が
信じられない量ちりばめてあって。

遠くで龍が飛んでいるのを見つけてビックリしたり。
どでかいトロールみたいなのが寝ていたり。
野生の馬を手なずけて乗りこなしたり、
小さな葉っぱの妖精を見つけたり、
いろんな人たちの願いを聞いたり、叶えなかったり。

なにをしても自由すぎて、なにがなんだかわからないんだけど
そんな中少しずつ記憶を取り戻してくうちに
ああ、彼らを救わなきゃ……!って思ってしまうという。

なにがなんだかわかんない文章になってしまった。
だけど、これが今回のゼルダでした。
なにから手をつけても良すぎて、
平原をぶらぶら歩いていてビームを撃たれたりね。
真横をドラゴンが飛んで行ってチビりそうになったり。
どうやって倒したらいいのかわからない敵の横を
必死になって駆け抜けて地図を手に入れたり。

冒険のワクワク感が詰まりすぎてて
そんな中時々、ただただ馬で駆け抜けていくだけの時間があったりして。

操作感も良すぎてね!これは任天堂のゲームを作り続けてきた歴史のたまものなんだけど
とにかく遊んでいてイヤにならない造りで
だから本当に歩いているだけで気持ちがいいんですよ。

クリアに向けて頑張ってもいいし、
料理にいそしんでもいいし。
素材を集めるために敵を倒しまくってもいいし、
祠の謎を解いて頭をほぐしてもよくて。
そのすべてが全部、本当に全部よく出来てました。

一応クリアはしたんですけど、
まだ到達できていない場所がいくつかあるし。
どうやら流鏑馬ができそうなところがあるんだけど
誰もいないし馬を連れていけてないとか。
序盤で走り抜けてしまって詳しくわからない場所があったりとか。
雪山、砂漠、火山、高地。広すぎて敵がウジャウジャいる平原。
謎の青く光るケモノの正体もまだわからない。
まだ手に入れていない武器があって、
写真を撮っていない敵がいて、
探したいけど、ただただ愛馬にまたがって走りたくもあり。

雪山でボウリングもできるし、
盾に乗ってサーフィンもできるし。

語りつくせないほどいろいろありすぎて、
そのすべてに満足してる状態なんです。

苦悩の中にあるゼルダ姫のけなげさもすごく良かった。
英傑の4人も素敵だった。
ミファーは可憐で、
リーバルはとんだ伊達男で、
ウルボザはかっこよくてたまらないし
ダルケルはめっちゃかわいい。

それぞれの町で助けてくれるキャラクターたちも
一生懸命生きているのが伝わってきて
なんかもうイベントごとに泣くっていう。

素晴らしいゲームでした。
据え置き機なんか本当に久しぶり。
そういえば、時のオカリナでも、風のタクトでも、
同じように素晴らしい素晴らしいって思ったなあって。

ゼルダの伝説はつまり、すごくよくできた良いゲームなんだと思います。

2017-03-26(Sun)

スーパーダンガンロンパV3

スーパーダンガンロンパV3をクリアしたので
こちらに感想を書いておこうかな。

本当は購入後わりとすぐにクリアしたんだけど
いろいろと衝撃的だったので寝かせてからブログにメモしようと思って。

ダンガンロンパは1からプレイしていて、とても好きなんですが
今回「スーパー」で「V3」なのは理由がよくわかってませんでした。
ワルノリなのかなあ、くらいでね。
だけどクリアしたら理由がハッキリわかって、わあすげえこと考えるなあ!
って感心しきりです。


今回はプロローグの映像もスパイシー。
そして1章に進んで、なんだかちょっとおかしいぞ
と思いつつも進めて、違和感がMAXになったところで衝撃のエンド。
ここで一度心が折れる人が多かったのではないかと推測します。
そのくらい1章はヤバかった。

1の体験版をプレイしていたら、製品版でうわーってなったんですが
あの時と同じかそれ以上のヤバみが溢れてましてね。

1章から1日置いて、2章へ。
2章もなんだかもうヤバかったですし、
3章ももうちょっと勘弁だなあって思いつつ、
4章で再びの超衝撃。
4章でまたバッキバキに心が折れてしまって、
どうしよっかなーもー ってなっちゃいました。

また1日置いて、なんとか5章へ。

ダンガンロンパは「誰かが死んでしまう」ことが前提なので
そう知っていてプレイしていかなきゃならないと思いつつ
遊んでいくうちに愛着が湧いてきてめっちゃツライっていう
本当に罪な作りのゲームなんです。
誰かが殺され、誰かが殺した。
どちらも消えて、仲間が減っていく。
わかっているけどツラい。マゾゲーですよね。
で、わかっているけど、今回は本気でしんどくてね。
ああ、こいつが死ぬの?って。

だけど今回は、なんだか妙な違和感があったんですよね。
世界観について。
受け入れがたい妙な感覚が溢れていて、
それが最終章でグワーッと明らかになっていく。

その最終章の造りが、今回は本当に反則でした。
その反則ぶりが、ダンガンロンパらしいなあって
最後はしみじみしてしまったし、
こんな内容なのに、物悲しい気分になるっていう摩訶不思議な感覚。

限定版のパッケージデザインについて、
タイトルのV3について、
これまでにましてハチャメチャなキャラクターたちについて
すべての謎が明かされるんだけど
あれが本当に真実なんだとしたら
こんなに悲しいことはない……

というのがすべての感想です。
でも、高校生だったらあり得るなあっていうのもあって。
「深く考えない」ことの罪深さを考えさせられるといいますか。
作品のすべてを否定したように取れる終わり方に見えますが
実際には一部の現実にあるやるせなさに対して
ものすごく皮肉をぶつけているように私は思いました。

そういうところが、「らしい」かなって。
ただのゲームを超えた、ただのゲームの皮をかぶった
ひとつの哲学になっちゃったかなあって感じです。

だけど、ちゃんとゲームなんだよね。

これはそうそう作れるものではないと、思います。
すごく素晴らしい作品だったなあって。
スタッフの皆さんに感謝感謝です。

オマケのダンジョンが面白すぎて、
ついつい1をやり直してしまったっていうね。

やるのならば、1と2は確実にプレイしてから。

本当に面白かったです。