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2017-08-15(Tue)

「ポケットモンスター きみにきめた」

ポケモン映画20周年、アニメ版主人公のサトシ原点回帰作、
やっと見てきました。

4月に入院した家人がやっと家に帰ってきまして、
手続きやら片付けやらでてんやわんやしつつ、
もーポケモン見に行かなくっちゃね!と映画館へ。
マーシャドーをもらってきました。
セブンイレブンでもらったミュウ、
ポケセンでもらったビクティニ、
映画館でもらったマーシャドーがいまの手持ち。小学生みたい。


私はあんまりポケモンのアニメには興味がなかったんですが、
XYからハマって、昔のもそこそこ見てはいました。
特に初回のピカチュウのいやいやぶり、
オニスズメ怖えはインパクト大でしたから
(ピカチュウの死んでる感が怖かった)
それをきれいな映像で再現されたのはよかった。

初回の再現のあとは、
もしもあのときカスミに出会わなかったら……
みたいな感じなのかな。
オリジナルのアニメ版ではオニスズメから逃げる途中に
ジムリーダーであるカスミから自転車を強奪し、
そのあと再会して一緒に旅に出る流れですけど、
カスミは出てこなくて、
サトシは一人旅、途中で寄ったポケモンセンターで出会った
ポッチャマを連れた女の子のマコト、
ルカリオを連れた男の子ソウジと
一緒にホウオウを探す旅に出ることに。

ホウオウから命を与えられたという
エンテイ、スイクン、ライコウが出てくるのもいい。
というか、エンテイやイワークの大きさが
しっかり描かれているのがいいよね、と。
昔のポケモンアニメは今ほど世界観に忠実ではなかったというか
看板がカタカナだったり、ポケモンの大きさも適当といいますか。
それがダメだったとは思いませんけど、
今のアニメはそのあたりかなりしっかり表現するようになったので
エンテイ、イワーク戦の相手の大きさはよかったなーとしみじみ。
寝ていてもひらひらとなびくエンテイのたてがみとか
映像はすごくよかったですね。
副監督がXYの担当をしてる人だったので
XY好きの私としては映像にはすごく満足でした。

今回はいろいろと、20周年ということもあったのか
思い切った表現が盛り込まれていて、
特にサトシの見た夢が、現実世界に生きる人間としてはなんともいえない
辛みみたいなのがあったなあと思います。

でも、サトシが目指していたポケモンマスターとはいったいなんなのかが
今回はっきりと示されまして、
それが本当にサトシらしいなあってほほえましい気分になりました。
彼はポケモンのためならビルから飛び降りちゃうし、
マグマにも飛び込んじゃうし、
自ら技も受けちゃうし、無茶苦茶なんですけども、
それだけポケモンを大事に思ってるってことなんですよね。
だからこそ、モノクロで描かれた夢がつらいってことでもあり。

最後の最後、ピカチュウとともにピンチに陥って、
サトシはピカチュウにモンスターボールに入るよう説得します。
ピカチュウはサトシとともにいたいからと拒否、
で、その直後のサトシの行動だよね。
ああ、ってなりました。
愛する我が子を守る母みたいなあの行動に
なんか、ああ、サトシなんだなあって。
XYでシトロンが感じたのはこういう気持ちよな、
って思いました。はい。

個人的にレントラーがすごく好きなので、
途中に出てきたシーンは結構悲しかったりとか、
サトシの手持ちピカチュウとリザードンしかいないのかとか、
(キャタピー→トランセル→バタフリーは登場する)
トランセルと一緒に戦う方法がかなり良かったなあとか、
このサトシがのちのXYのサトシになるんだろなとか。

そしてエンディングですよ。
アニメ版の総集編にふさわしい演出で、
あと「オラシオンのテーマ」がかなり良くて、
歴代ポケモン映画全部みてない私としても
ぐっとくる歌とメロディでした。
今回のゲスト声優もみなさん上手だったので
あと、配布ポケモンのために作られた物語、という感じも薄くて
お話としてもすごくよかったなあと思います。

アローラからやってきたトレーナーも良かったですよ。
前髪がオシャレでね。
シンジとかあの辺のライバルキャラを濃縮還元した感じですよね。
あえて、これまでのシリーズのキャラクターを出さずにいたのが
新しく集大成としてまとめる、という今作の目的にあっていて
良かったなあと思います。

序盤にサトシがワンリキー使いと戦うシーンがあるんですが
それが終わってから背景が映ったとき、
サワムラーと稽古しているトレーナーがいまして。
うらやましいなと思いました。
私もサワムラーとかルチャブルとか、
カイリキーを連れてお買い物とかに行きたい。
そんなこと考えながら家に帰りましたよ。
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2017-08-02(Wed)

「ソーセージ・パーティ」

ソーセージ・パーティ

2016年のアメリカ作品。
CGアニメーションの映画です。

とあるスーパーで売られているソーセージのフランクが主人公。
お隣で売られているパン(ソーセージを挟むタイプ)のブレンダと恋仲で
いつか一緒に買われて、その先にある楽園で幸せになろーね♥と約束していたりする。

カートに入れられて連れていかれた先はパラダイス……。
そう信じている商品たちが並ぶスーパー「ショップウェル」は
朝が来るたびに幸せに満ちた歌声が響き渡るところ。
なんだけど、その日、返品されてハニーマスタードが帰ってくる。

外が楽園なんて嘘だ。

錯乱して暴れるハニーマスタードのせいで、
せっかく入ったカートの中は大混乱。
おかげで、フランクもブレンダもパックの中からはみだして落ちてしまい、
そこから恐ろしい真実が少しずつ明らかに……。
ただひたすらに消費されるばかりだった食材たちと、
食い散らかす人間たちの仁義なきバトルが今始まる!

みたいな話なんですよ。
紹介映像や公式サイトを見ると、
あーしょうもない下ネタ満載なんだねー
みたいな感じなんですけど、
実際下ネタは、それもかなりどうしようもなくアレな下が満載ではあるんですけれど、
それ以上にもっとアレなとんでもない展開がぶち込まれておりまして、
ある程度は身構えていたんですけども、
予想外の方向から槍で刺されたような
結構ショッキングな内容でもう最終的には笑うしかないな、
って印象です。
ショッキングとか、笑うしかないっていっても、
もちろんめちゃめちゃに面白いんですけどね。
哲学的でもあり、ある種のリアリティもありまして、
なるほどそうきたかーって感心もすごくあるんですけども、
でもやっぱり振り切れすぎた映像というか展開というか、
これはやっぱり実際に見てほしいなあっておもうんですけど
ある程度ね、大きな心でいろいろ許容できる方じゃないと
厳しいかなって私は思います。
少なくとも、最近周囲に増えてきたマダム方にはオススメできないので
心に豪胆な部分がある人じゃないとダメかなあ、なんて。

なにがヤバイかというのは、
全部書いちゃうと面白くなくなっちゃうので、
ポイントだけあげておきます。

〇ガム

 ガムの元ネタは理解していた方がいいなあと思います。

〇食材がしゃべる世界に足を踏み入れることができる

 食材たちがしゃべっているのは、彼らの間だけのファンタジーではない
 という世界観なんですよね。方法はストレートにヤバイです。

〇食材VS人間

 食材と人間の戦いなんですよ。
 比喩的表現にとどまらないんです。

〇勝利のあとの宴

 実際、ひょっとしたら死ぬんじゃないかって思い詰めていたら
 たとえば世界滅亡の危機に直面して、ギリギリ勝ったら、
 あんな風に弾ける人たちもいるかもしれない。
 そうは思うものの、やりすぎじゃねーの?って。
 でもあそこまでやれるセス・ローゲンたちはすごいし素敵。
 そしてなんだかんだ日本でも劇場公開されたんだから
 まだまだイケるなって思います。そのくらいとんでもなかった。

〇そして最後

 突っ込みどころしかないエンディング。
 ここまで悪ふざけしてなんだかんだいい作品に仕上げられるのすごい。


いろんな人に見てほしいんですよ。
頭をカラにして、おおらかな気持ちでね。
とはいえ、不謹慎の針は軽く振り切れて一周するくらいなので、
そこまでおおっぴらにオススメはやっぱりできない……!
って悶えちゃう作品でした。
どう思われるかは別として、とにかくすごいしヤバイ。それだけは確かです。

2017-07-12(Wed)

「シン・ゴジラ」

「シン・ゴジラ」

昨年公開されて大ヒットだったシン・ゴジラ。
周囲からの評判も上々で、でも劇場に行くチャンスがなくて
今回ようやく見ることになりました。

「もしもゴジラが今、首都圏に現れて大暴れしたら」
という名のドキュメンタリーでした。
現実的で、でもちょっと夢のある、日本的な人間ドラマ。
面白かったです。

実際に東京湾にゴジラが出てきてしまったら、
災害への対策もあんな風に行われていくでしょうし、
無責任な野次馬、不機嫌な当事者たちの反応も納得いく作り。
いざ戦うとなった場合に、どれだけの縛りがあって
なにとなにを天秤にかけなければいけないのか、
大勢の人が住んでいる場所だから、
攻撃のできる軍隊を持っていない国だから、
地球規模で考えるととんでもない事態だから……、と
日本を取り巻くあれやこれやが次々と立ちはだかってくる。

そんな中で、ゴジラをどうするのか、

なにができるのか、

どうやってかわすのか、

などなど、みどころがいっぱい。
たくさん出てくる作戦、会議、肩書などの名前はただの飾りで、
日本はちゃんとああいう名称を付けて管理しながら対応していく国なんですよ、
ってことなんだなあと納得。
スーパーヒーロー1人が止めるんじゃなくて、
使える人材を集めていくつものチームで立ち向かう。
マリオじゃなくてピクミンなんだなあって思ったりなんかして。


最初に出てきた第一形態のゴジラの姿にまずビックリして、
あっという間に進化していって、
米軍の攻撃に対する反応のあまりの激しさにすごくショックを受けて()
実際あんなトンデモ怪獣が出てくる可能性はかなり低いとは思うんですけども、
それでもなんかすごくショッキングな映像でした。

そして最後、なにがなんでも失敗できないという状況に陥って、
やれることを全部やり尽くした作戦がホントに素晴らしい。
ゴジラのいたあの立地を生かしつくしたやり方は非常に熱くて、
そしてなによりも日本的で、
邦画にありがちな無駄な余白は一瞬たりともない、
脳が心地良く疲れる作りのいい映画でした。

個人的には、石原さとみさんの「コピー」の発音がツボで、
「キャピー」って真似して遊んでしまいましたとさ。

こんなの作られちゃうと、これまでの路線のゴジラはもうなかなか作りにくいかもね。
なんて思ったりもしました。

2017-06-29(Thu)

「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」

「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」

TOKIOの長瀬君と、神木隆之介くんのW主演の邦画。
バスの転落事故で死んでしまった高校生が、
好きな女の子のために生き返ろうとするんだけど、
地獄からの転生って思っていたのと違う上、
地獄バンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカルが、
生前通っていたスタジオの従業員で彼の切なる願いを聞き入れたくなっちゃって……。

というファンタスティック地獄コメディ。
バスの事故があったせいで公開が延期になったりしましたが、
これは延期にして正解だなと思いました。
コメディなので描写がちょっと軽いんですよね。
事故にあったことがある人、身内に経験がある人が見たら
たぶん胸がギューッとなるのではないかと思いました。


内容はとにかく明るく軽く、それでいてセンシティブだったり
アホだったり勢いが良かったりで、
宮藤官九郎らしさ全開の話でした。
地獄の設定って突き詰めたらこうなるのね、という部分と
そうじゃないパロディ部分がざっくりぐるぐる混ぜてあって
ついでに若々しい下ネタも存分にぶっこまれているので、
あんまり深く考えずに見た方がよさそうな話でした。

基本的に面白いんだけど、
なんだかとっても舞台っぽいつくりの映画で、
見ていて不思議な気分になったりして。

結構いろんな人が出てくるんだけど、
地獄で出てくると特殊メイクがジャマすぎて
一体だれがだれなのか確信がまったくもてませんでした。
ジュンコが誰なのかすごく悩んで(途中でわかりました)
で、最後のエンドロールで、この人出てた?ってなる。
中村獅童の役柄はすんごいビックリしましたよ。
よくそんな役やったなw ってな感じで。

結構楽しかったんですけども、
主人公の大介が結構な軽薄さ(アホというか)なのと、
最後の天国の描写がちょっと好みじゃなかったかなあ。
クドカン好きなら間違いない内容だと思います。
神木くんは素敵な成長をしていて、これからますます楽しみですね。


あと、テラフォーマーズをみました。
こちらは感想はとくにないかな……。
なんというか、全力出してない感じが漂っているように感じられて
それがちょっと残念でした。
役者は全力なんだけど、全体の作りがなんかね。
私はそんな風に感じましたとさ。おわり。

2017-06-18(Sun)

「ジュリエットからの手紙」

「ジュリエットからの手紙」

2010年の映画。
舞台はイタリア。
主人公のソフィーは婚約者と二人でイタリアへ旅行へやってくる。
料理人の彼氏はワインやパスタ、トリュフに夢中。
それよりも二人で観光したいのに……と一人でソフィーが歩いていると、
街角には不思議な光景が広がっている。
たくさんの女性たちが、手紙を壁に貼り付けており、
そのうち一人の女性が手紙を回収してどこかへ去っていく。

気になってあとをつけてみると、とある民家では
何人かの女性がテーブルの上に手紙を広げている。

たくさんの手紙が書かれていたのは、
ロミオとジュリエットの、ジュリエットのおうち。
恋愛についての悩みを書いて送る風習があって、
ジュリエットの秘書たちがそれに返事を書いてくれるのだそう。
各言語にも対応し、悩み別に担当も決まっているという徹底ぶり。

ソフィーはその仕事に興味津々になり、
婚約者がグルメフィーバー中でほったらかしなのもあって、
秘書たちの仕事に少し混ぜてもらうことに。
もともとライター志望でもあるので、このエピソードを書こうと思っていたら
ジュリエットのおうちの壁の中から一通の古い手紙を見つける。
駆け落ちしようと約束していたのに、勇気が出なくて行けなかった。
50年も前に書かれた手紙にやけに心を打たれて
返事を出してみようと決めたソフィー。
悩みに悩んで、言葉を選んで、返事を出すと
その手紙を書いた女性、クレアが孫とともにイギリスからやってくる。
返事に心を動かされ、婚約者に会ってみたいと思って。
そう告げられて、ソフィーはクレアの旅についていくことに。

というお話。
とてもロマンティックなラブストーリーであると同時に、
とてもリアルなラブストーリーでもあるという。
50年の時を経て、かつての恋人ロレンツォを探すクレアの旅は結構過酷。
同性同名のロレンツォを端からあたっていくものの
なかなか見つからないし、イタリア人男性は情熱的なのか
全然別人のくせになんかオレがそうだよ!みたいな感じで出迎えてくるし。

同行している孫のチャーリーは、
50年も経っているし、こんな旅をするのはどうなの?
と最初から反対ムード。
おばあちゃんが傷つくところは見たくない……と文句たらたら。
ソフィーとはたびたびぶつかりあうけれど、
でも結局旅を共にしていくうちに、
なんだかんだ理解しあえるようになって、
ソフィーは自分と婚約者の仲についてしっかり向き合うようになり。

クレアのロマンチックな愛の物語も、
ソフィーの現在進行形の恋愛についても、
途中で波乱を含みながらも最後は美しく決着がつく、
とてもよくできた美しいラブストーリーでした。
ジュリエットに恋愛相談をする女性が世界中にいて、
それに返事が戻ってくるという話も面白かった。
ちなみに、日本語で手紙を送ると、ちゃんと日本語で返事が返ってくるそうです。

いい映画でした。
イタリアの風景もいいし、ソフィーが本当にチャーミングでね。
クレアは目指すべき上品な老婦人の姿だと思いました。みてよかった。