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2014-09-20(Sat)

「ザ・ロック」「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」

気が付けば返却期限が迫っている。
もうちょっと余裕があるかと思いきや……そんなことなかった。

というわけで大急ぎで
ザ・ロック

安定のマイケル・ベイ。
なんだろうね、このマイケル・ベイ感。
マイケル・ベイが撮りましたよって空気が全編に漂っている。
これが監督の力なのか……と。

ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、そしてエド・ハリスとスターの競演っぷりも素敵。
乗っ取られた「不落の要塞」アルカトラズ島に
潜入して毒ガス入りミサイルをなんとかせよ!

なんとかなった!

というお話。ショーン・コネリーはやっぱりカッコいい。渋カッコいい。
ニコラス・ケイジはいつも通りのモト冬樹。

マイケル・ベイ監督は串刺し好きだよねw
「また串刺しにしたー!」ってエキサイトしながら観ました。ベイだった。


お次は
ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

我ながら随分傾向の違う話を連続でみたなあという感じ。
1960年代のアメリカ、
黒人を当然のように差別し、こき使う時代に、
彼女らの立場、心に押しとどめている叫びを拾い上げて、出版する。
それも、若い白人女性が、というお話。

本を出版するスキーターが大学を卒業して地元へ戻ると、
友人たちはみんな結婚して子供を産み、
家で雇っている「ヘルプ」の黒人女性に家事と育児をさせている。
料理も掃除も子育てもさせるのに、同じトイレは使わせない。
できるだけ低賃金でこき使うし、気に入らなければクビにする。
そういう時代であり、土地によって差はあるだろうけれども、
「これが当然」だった。という話。
今となっては「酷い」けれども、
「彼女たちも同じ人間」だなんて発想がそもそもない世界で生きているので、
スキーターの友人たちはヘルプたちの気持ちなんかカケラも考えやしない。

スキーターは自分を育てたヘルプのコンスタンティンに愛情を抱いていて、
大学に通っている間に彼女がいなくなったことを疑問に思っている。
家族からは「自身の子供たちのもとへ帰った」と聞かされているけれど、
スキーターを愛情深く育てたコンスタンティンがなんの伝言もなく
去っていくはずがないと確信を抱いている。

そんなスキーターなので、友人たちがヘルプにつらくあたり、
当然のように差別する様を黙って見ていられない。
出版社で働きたい、小説家になりたいという夢もあり、
ヘルプたちの本音を聞き出して本にしようと考える。

ヘルプたちはなかなか本音を話さない。
不平不満を言えば、白人に逆らえば当然のように殺される時代だから。

ヘアスプレー」や「ドリームガールズ」でも描かれていた
「黒人は差別されて当然」の時代。

同じ人間として扱って欲しいという願いを口に出すことすら憚られていて、
今も差別は間違いなく地球上に残っているけれど、
ここまで来るのにどれだけの苦労があっただろうなあと考えさせられる。

この作品は「黒人への差別」が主体となっているけれど、
「男尊女卑」についても同時に描かれている。
女性はさっさと結婚して、仕事なんかしないで子供産んで育てろと。

ついでに、「相手に嫌がらせして平気な人間」は、どんな相手だって平気で見下すよね、とも。
実母を施設に追いやり、気に入らないからとシーリアを締め出すヒリー。
彼女の描き方も秀逸だった。とても。あそこまでイヤな役を演じきって、
いや女優って素晴らしいですねと。

差別ダメ、いじめはダメ、と言いつつ、人の心は弱い。
あなたは強くしなやかな心を持っていますか?と
問いかけられるような作品だった。染みた。
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2014-09-19(Fri)

「エンダーのゲーム」

エンダーのゲーム

原作小説は未読。

映像の勝利、って感じかな。
若干、説明不足は否めないけれども
(兄、姉との関係性とかさっぱり過ぎ)
サードがどうのこうのっていうも特に説明もなく
「あーもしかして3人目の子供は特別なのかしらー」
くらいに受け取りましたけれども。

宇宙からやってくる侵略者との戦いに備えて、
優秀な子供を集めて訓練を施している世界。

宇宙でも無重力でもこうして映像に出来るからすごいよねここのところ。
CG、合成が見え見え、ってこともなく
「おー宇宙で戦ってるー」
「あの手を動かすだけで全部動作する仕組みどーなってんのじゃカッコイイ」
とか、原作未読の身としては単純にワクワクしてしまった。

キーボード操作とか痺れるよね。
どこにどのキーがある、じゃなくて、触れたキーが打ちたい文字になる。
カッコイイ。

散々シミュレーションを重ねて、
最終試験は「敵の母星との戦い」。

ところがそれは、シミュレーションではなくて……と。

敵について、完膚なきまでに叩きのめせるほどに理解していると
その心情まですべてわかってしまう。

そうかな?と思わなくもないです。
そういうのは名将同士、酸いも甘いもかみ分けた達人同士の話じゃないかなって。

でも子供は敏感な部分があるので……。
エンダーもそうだったのかな。センシティブな少年だったとしよう。
最後、優しいのねアンタ、って感じだけど
一人で大丈夫かいw っていう気もした。

あと、偉い人達は彼の旅を許したのかなーって。
気になるところはちょいちょい、
あんまり考えなければ「わーい」と楽しめる作品な気がした。

2014-09-18(Thu)

パーティ

友達はかなり少ないが、パーティをした。
一品持ち寄りで「他人の作ってくれたご飯」を食べられる会をやろう
という話になったので、一回目に自宅を開放した次第。

おかげで家の中が片付いて良かった。
人の作ったご飯はなぜあんなに美味しいのだろう……。

なかなか自宅では飲まないハーブティーを開けて、
わいわいがやがや。

なんだか友達がいっぱいいるような気分に。

デスパレートな妻たちみたいに、
世代はちょっとくらいズレていても
気が合う仲間がいるって良いなと。思いました。

にしても何が大変って、
椅子がないのが大変だった。

そんなに椅子っていっぱいないわな。

2014-09-16(Tue)

「シャイニング」

シャイニング

もちろんあの強烈なパッケージのやつ。
ジャック・ニコルソン祭りの最終章に相応しい作品でした。

シャイニングについてはあのジャケットのおっかない顔しか知らなくて
昔の同僚のS君(髭が濃い)が会社に泊まり込みで仕事をしている時
「シャイニングみたいになってるよ!」って言ったくらい。
その程度しか知りませんでしたが、申し訳ありませんでした。

話の内容は、
人里離れた高原にあるホテルが舞台。
冬は雪が大量に降って客が入れられなくなるので、
その間暖房を入れて傷まないようにするために管理人が必要。
それに、主人公であるジャックが内定するところから始まる。
妻と息子と3人で冬の間ホテルに籠もることが決まるが、
そこは昔インディアンの墓地だった場所であり、
閉鎖空間に心を病んだ管理人が妻子を惨殺した事件があったりして……。
っていう感じ。

ジャックは小説家で(なのでこの後「恋愛小説家」の主人公になるのかなみたいな気分に)
他人が入り込んでこない空間で自由に過ごせるのは好都合だという。

だけど、誰もいないどころかそこは強力な「悪い何か」がいて、
ジャックの心を蝕んでいくのだとかなんとか。

6歳の息子は「シャイニング」という特殊能力の持ち主で、
話さなくても他人と通じ合える(能力者同士ならば?)。
ついでに、まだ見ぬものを幻視することもできる様子。
それ以外、たとえば戦う力とかはない。


父と息子。
夫と妻。
仕事、人生がうまくいっていないことへの焦りと憤り。

ジャック・ニコルソンの演技は壮絶で、かなり怖い。ヤバイ。
そして奥さんの顔も結構怖い。息子は可愛い。

複雑に色々と絡み合って、ジャックは壊れていく。
けど、色んな解釈ができる映画だと思った。

最後の写真なんか特に。
最初からあのホテルに棲んでいる何かの一味だったのか、
それともあの事件を経て一味に加わったのか。
過去に事件を起こしたグレーディが、ジャックだった説(生まれ変わりとか)とか
全部妄想でした、とかでもいいような気がする。


おっかないシーンは色々あって、
たとえば大量の血がざばーんってくるとこも怖いし、
双子の女の子、腐りはてた女性、ヘンテコな仮面のオッサン2人組。
この辺は普通にビックリしてアワワとなってしまう。

ジャックの書き上げた原稿も怖い。
いろんな形に仕上げてあるところとかが怖い。
あ、途中から微妙に楽しんでるか飽きたかしてる!って思わされるところが怖い。

倉庫に閉じ込められた時、下からのアングルで映してて怖い。

「しつける」って表現が怖い。

廊下を歩いているだけで怖い。変な動きがすごく怖い。

最後、迷路でまよった挙句凍死した姿が怖い。
いや、あれは吹きだす人が結構いるとは思う。
いきなり出てくるし。不意打ちだよね。
だけど、実際あんな風に凍死してしまった人に出会ったとして、
自分は笑ってしまうのだろうか?って考えるとすごく怖い。
あの顔のドアップをあのタイミングに配置したキューブリックが怖い。

最後の方に出てくる仮面のオッサンはほんとなんなのかな。
あれが一番ビビったんだけど。へんな帽子かぶってて。


で、とにかく、ジャック・ニコルソンはすごいなって。
素晴らしい俳優でした。

ハロランさんどっかで見たなと思っていたら
「カッコーの巣の上で」に出てきただらしない看護師だった……のかな?
モト冬樹そっくりだなこの人って思ったんだよね。

面白かった。
本当はもっと長いバージョンがあるっていう話だけど、
監督があれこれカットして「これで」っていうのなら
短いバージョンが最適ってことなのでしょう。
良い作品だと思いました。原作は読んでませんけど。良かったと思います!

2014-09-15(Mon)

「キャリー」

キャリー」 1976年版。

キックアスを見てて、目に入ったリメイク版のニュース。
そこから興味が出て、オリジナル版を借りました、という経緯。

本当はシャイニングを見てたんだけど、
怖いのはちょっとダメな家人が起きてきたのでね……。
仕方ない、PCで続き観るか―と思ったら!
ブルーレイディスクが読めないw

それでキャリーを見ました。
ツタヤさんの袋に193分って書いてあって
「こいつは壮大ですな」とか思ってたら
実際には96分くらいでした。アホか。マッチスティックマンの時と同じだよ!
あれにも193分って書いてあったんだけど、どういうエラーなの???


で、キャリーです。

狂信的なクリスチャン(特に性的な部分に厳しい)なママンに育てられたキャリーは
高校のシャワー室で遅い初潮を迎え、パニックに。
それを嬉々としていじめるクラスの女子たち。すごい怖い。
体育の先生は以前からキャリーに対するイジメを把握しており、
女子たちを厳重注意に。楽しみにしているプロム
(高校で開催されるカップルで出席するパーティ。イケてない人間は参加できない。
 大抵のリア充はこれに命を賭けるらしい)
に参加させねーぞ!と脅され、一人はすっかりヒネくれてここで
キャリーに対する壮大な嫌がらせをしようと決意する……。

何が怖いって、人間が怖いよねっていう話。
キャリーは本当に可哀想。後半は秘めたる力、サイコパワーが炸裂するんだけど、
なんの救いもない、非情な終わりを迎える。


キャリーのお母さんは宗教的な理由で狂っているけれど、
あんな風に子供を縛り、思うがままにしようとする人はたまに存在する。
自分と子供が違う人間だと、わけて考えることができず、
呪いをかけて意のままに操ろうとする。
キャリーは自分の考えをはっきり持っていて、
普通になりたい。みなと同じようになりたいと願うも、
結局は他人の悪意に潰され、願いを断たれてしまった。

唯一、キャリーに対して申し訳ないと思ってくれた友人のスー。
彼女だけは生き残るけれど、それが良かったのか、悪かったのか。
先生の熱意も、結局は裏目に出てしまった。
信じていたのに、救ってくれると思っていたのに。
そう感じていたからこそ、裏切られた気持ちが強く、プロムの夜は血にまみれてしまった。


最後、家に帰ってから。
お母さんの狂いっぷりは最高潮に。
反省部屋に飾られていた十字架、怖いって思っていたらこのためだったのね。

事切れた母を抱きしめ、自分も炎の中に沈んでいくキャリー。
親子の絆っていうのは本当に不思議で、
「このクソ野郎!」ってぶっ飛ばせばいいじゃんと思う人も多かろう場面だけど、
あそこで母を抱きしめるからこそ、キャリーというキャラクターが際立ってた。


イライラさせられたとしても、
ムカついても、
生理的にイヤだと思ったとしても、
他人を積極的に傷つける人間にはなってはいけない。

悪意は人の魂を殺す。
悲しい話だった。