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2014-11-19(Wed)

「ブルージャスミン」

ブルージャスミン

気になっていたんだけど、都合があわなくて映画館でみられなかったやつ。

いや、これ、アカデミー賞獲るでしょうね……っていうのが素直な感想。
主人公であるジャネット=ださい名前だから勝手にジャスミンって名乗ってる
彼女を、完璧に演じあげていると思いました。ケイト・ブランシェット、すごい。

主人公のジャスミン(ジャネットという名前だが勝手にジャスミンを名乗っている)は
リッチ極まりない生活をしていたものの、夫の不法なあれこれがばれて
全財産を奪われ、妹であるジンジャーのもとへ身を寄せる。

夫は自殺、その子供(連れ子でジャスミンの実子ではない)は出て行き、
ついでにいうと妹夫婦が宝くじで当てた金を全部巻き上げて一文無しに
→妹夫婦は離婚、子供二人を抱えて貧乏暮らし
という状況。そこに、お金がないどころか借金がある状態なのに
ジャスミンったらファーストクラスの座席をとって、
ヴィトンのトランクを3つも抱えて転がり込んでくる。

最初っからまったくもってクレイジーな様子が描き出されていく。
たまたま席が隣になった老女に、延々と自分語り(妄想混じり+自慢話満載)
という様子がかなりヤバイ。目がやばい。これがまずすごい出だし。

妹は慎ましく狭いアパートで3人暮らし。
付き合っている彼氏と一緒に暮らそうと約束していたところに、
非常にいけすかない姉が転がり込んでくる。
なので、彼氏は気に入らず、妹から聞いた姉のあれこれをもとに嫌味を炸裂。
それを、「下品で最低な男」と高飛車に応対するジャスミン様。

金がないのはわかっている。
もう裕福な暮らしじゃないのはわかっている。
でも忘れられなくて、妄想に浸り、抗鬱剤と酒に逃げる主人公。

なんとか元通りの暮らしをしたくて、
インテリアコーディネーターになろうとしたり、
リッチな男を捕まえて結婚寸前までこぎつけたりもする。

ジャスミンはとにかく現実というか、ダメージに弱い女性で、
夫の浮気だとか、今自分が置かれている状況に打ちのめされる。
それでも、優雅な暮らしに戻ろうと努力もするし、
どうしようもなくて、紹介された歯医者の受付の仕事をしたり、
パソコン教室に通ったり、頑張る部分もあるんだけど、
その一方で、まるで息をするように嘘をつき、
自分の意に添わない人間を責め、
許せないものは全部ぶち壊して、生きていく。

妹のジンジャーの最後の身の翻し方だとか、
パーティで出会った最低男だとか。
人間って本当、どうしようもないよね!
っていう声が聞こえてくるかのようで、本当に、見終わった後、
うわーすげえものを見てしまったなあー
っていう気分がすごかった。

胸糞悪いし、哀れだし、滑稽でもあり、強いし、弱いし。
なんというか、人間の業の深さをありったけ詰め込んだ、
胸の底にズーンと残る映画でございました。名作。
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2014-11-15(Sat)

「カジノ」

カジノ

マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ再び!
ジョー・ペシもね♡
そしてシャロン・ストーン。ずんの飯尾のギャグを思い出して辛い。


まずはデ・ニーロが車に乗る→大爆発 というオープニング。
否が応にも期待は高まります。
炎の中、誰かが吹っ飛んでいく。ゆっくりと。
わお、デ・ニーロ吹っ飛ぶの!?みたいな。

ラスベガスの巨大なカジノを任され、そしてどうなったか。
爆発の後からゆっくりと語られていくこの作品、175分。なげえ。

デ・ニーロ演じるサム・ロススティーン通称エースは
とにかく鼻の利く男。
あらゆる情報に精通しており、あらゆるギャンブルに勝つ。
ジョー・ペシ演じるニッキーはエースの親友であり、
なにより先に手が出てしまう粗暴な男。

色々あってエースはカジノを任され、巨大な金のなる木へ育てていくも、
時間の流れだとか、金やら権力やら、色んな影響を受けながら
少しずつ崩壊していく。

今日、この映画を見ていて、生まれて初めて
「うっわ、シャロン・ストーンになりたい……」
と思いました。
シャロン・ストーンの役はジンジャー。
カジノでカモをひっかけては金を引き出し、身ぐるみはいで放り出す。
タチの悪いヒモから離れられず、エースから注がれた愛も信頼も
全部裏切って離れていくんだけども、
このジンジャーがとにかく良かった。

エースの冷静さ、自分の基準からまったくブレないところが非常に良い分、
ジンジャーとニッキーという、どうしようもない弱さを持つ人間が
際立って見えるというか。逆もまた然りなわけです。

人間も、時代も、なにもかも、ひとを取り巻く環境は変わっていくもので、
でもその中で容赦なく、なににも屈しないエースはカッコよかった。
でも弱くてどうしようもないところがあるジンジャーも、可愛らしかった。

このブレのなさ、「ヒート」でもそうだった。
こういうダンディがいいなって、心底思いました。

まとめがり映画はこれでおしまい。
ひと月に16本も観る生活はそろそろ厳しいかなー。

2014-11-14(Fri)

「スチューデント・オブ・ザ・イヤー」

スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1

なんで借りたんだか覚えていないんだけど
たぶんレビューを見てだと思うんだけど

タイトルからしてすっかりアホなハリウッドコメディ映画だと思ってたの
まさかのインド。
でもインドっぽくないの。
セレブ高校生がキメキメでサングラスしたままサッカーするの。
でも、汚い裏工作のせいで先生が尿を聖水と間違えて
妻子にふりかけたりもするのでその辺は結構インド。

お金持ちの家の子だけど愛されていないロハンと
貧乏だけど努力と野心と実力でのしあがろうとするアビ。
そしてロハンの彼女でわがままだけど結構ピュアなとこもあるシャナーヤ。

ロハンとアビの友情、シャナーヤを巡る三角関係からの
全然カンケーないところで起きたぶち壊し劇と元校長の失望
そして10年越しの仲直りへ……

っていう話。
歌と踊りはインドにとって超重要なファクターだとしってますが
これのせいでどうしようもなく長い。
それから、過激な男女の絡みは駄目なんだってわかってますが
三角関係ったってやたらとピュアピュアしいせいで
刺激が全然なくてあんたら何やってんの感が……。

あと、二人の友情が燃え上がり過ぎて、
途中「このままこの二人が……!?」みたいなハラハラ感はあった。
意味もなく校長先生同性愛者だし。なんなの。この設定いるの?
あと、男が男をお姫様抱っこするのはなしだなって思った。

TOKIOの長瀬VS平井堅。ぱっと見はそんな感じです。
パワーとキラキラ感がすごいんだけど、
半端にインドで半端にインドじゃなくて、むしろ
インドってどういう国なのかまったくわからなくなってしまって
このモヤモヤをどこにぶつけたらいいのかわからない。

話は王道。かなり清らかな青春ものだと言える。
ダンスも切れがあるけど……なんだろうこの変な感じは。

って気分になりました。おわり。

2014-11-12(Wed)

「ワールド・ウォーZ」

ワールド・ウォーZ

なぜかトム・クルーズ主演と間違えていた。
多分ワルキューレと勘違いしている(ジャケットが似てる?)。

こちらはブラッド・ピット主演のVSゾンビ映画。
最初に大々的に出てきた「プランB」、
映画の中の話かと思ったらブラッド・ピットの制作会社だったw

ブラッド・ピットは「テルマ&ルイーズ」以来(観たのは最近)で
普段はそんなに興味がなくて、
みはじめも「なんかブラッドピットに似てる人が出てる」と思っていたくらい。
ご本人でした……。

元国連の捜査官であるジェリーが家族とわいわいしていると
突然猛スピードでトラックが暴走し始める。
あきらかに様子のおかしい人間がおり、ニュース番組でも不穏なメッセージが。
 ↓
うわーゾンビだー!

という話。
ゾンビ映画は色々あって、足の速いゾンビはもう既にいたわけなんだけれども
このワールドウォーZ(ゾンビのZだった)のゾンビめっちゃ怖いw
バイオハザード3で赤い頭の奴が急に走りだした時もビックリしたけど、
このZさんたちは横っ飛びしちゃうところが怖い。

優秀な捜査官だったジェリーは元同僚に助けてもらうも、
そこからすぐに仕事を依頼される。
ウイルスの研究家を連れて、一番最初に報告のあった地へ行ってくれ、と。

この展開はすごくまともであり、想像の範囲内。
でもまさか、到着してすぐあんなアクシデントが起きるとは……みたいな。

ゾンビの習性を学びつつ、次に飛んだのはエルサレム。
高い壁を作って囲い、安全安心の約束の地を作ったもんね~と余裕綽々。
ところがその余裕がまんまと裏目に出て、
行動力抜群のZさんたちに浸食される。

慌てて、離陸しようとしていた飛行機に乗る。
どこに行くかは不明。
 ↓
Zの習性を見直し考える。
 ↓
ナイスアイディア!
 ↓
機内にこっそりZが乗ってたよ!
 ↓
狭いところなら俺たちのものだーバリバリ
 ↓
仕方なく爆弾
 ↓
不時着

そしてWHOの研究所へなんとか辿り着いて、そして、
思いついたアイディアを試す為に最後の試練に挑む……。


なにが良いって、主人公であるジェリーがそこまで強くないところ。
機転を利かせ、慎重に行動し、優しさと愛を胸に抱いている。
知的な行動で切り抜けていく様が非常に面白かった。

で、Zが怖えの。なにがイヤって、タワーになるところね。
非常にスピード感のある造りで、緩急のメリハリもあり、
ハラハラ&ギャーでエンタメ度MAXの良いゾンビ映画だった。
面白かった!

2014-11-11(Tue)

「ミシシッピー・バーニング」

ミシシッピー・バーニング


この人人種差別問題とかに興味あるの?
みたいな視聴履歴になってきたなと思った一本。
どうしてこれを借りたのか覚えてないので、違います。

例によって実話をベースにしたもので、
アメリカの人種差別問題の闇の深さを浮き彫りにしているなーと。
今まで見た中で一番キツかったかもしれない。

KKKなんか変な頭巾かぶってる人達、
くらいにしか思ってなかったのにね……。
ほんとガチじゃないですかヤダー、です。
そう思える自分がいかに平和な暮らしをしてきたか、って話。

1964年アメリカ、ミシシッピー。
タイトル通り、ミシシッピーが燃える話。

3人の公民権活動家が行方不明になり、FBIが調査に来る。
2人は白人、1人は黒人。

正直言うと、FBIがそこまで頑張ってくれるもんかな、
っていうのが一番大きな感想。そこはまあ、映画だからってことなのかな。

とにかく、調査にやってきた捜査官の二人は、
街ぐるみで強烈な人種差別をする人達と対峙する。
ちょっと話しただけでボコボコにされ、
問題が大きくなればまとめて焼き討ち。
これがほんの50年前だなんて、という思いにどうしてもなっちゃう。
そして、いまだに、変わっていない人たちがいることに思いが向く。

自由の国といいつつ、色々あるね、アメリカ。
1960年代の話は本当にヘビーです。

ところで、ジーン・ハックマンが本当に格好良くて。
理想の刑事だなーって。
刑事じゃなくてFBIの人なんだけど。
デフォーももちろん良かったんだど
大人の男オーラに圧倒されてしまった一本でした。