「セルラー」
2004年アメリカ映画。
セルラーっていうのは、携帯のことですかね。
ごく普通の日常を送っていた生物教師の女性が突然誘拐され、
監禁された屋根裏で壊された電話をなんとかつなぎ、
偶然繋がった見ず知らずの相手に助けを求める話。
浜辺で青春満喫中の青年ライアンは最初、いたずらかと思うんだけど
あまりにも緊迫した様子に警察へ赴き、
でも騒動が起きて別部署に回されて階段を昇っていく最中、
電話の相手がマジでヤバいことに気がついて、救出のために奔走する……
という流れ。
いやーお見事でした。
警察内部のゴタゴタ、携帯が切れそう、携帯電話の混線などなど
アクシデントを上手にちりばめ、ライアンが頑張るものの
全部後手に回ってしまうというこのハラハラ感を
見事に100分に収めてあるっていう。
助けを求めるジェシカも、決して無力ではなく、家族のために戦う。
隙のない面白いサスペンスでした。超良かった。
携帯が古いんだけど、携帯黎明期を大人になってから迎えたので
ああそうだったこういう感じだったと懐かしみながらも、
違和感なく見られましたよ。若い子だと無理かもしれない、これ。
なにあれ、iPod?とか言い出しそうで。
いやはや、いいものみたなーって気分です。素晴らしかった。
「ミッシング・デイ」
そしてコレ。公式サイト、一番上にきてる写真がイメージと違いすぎて、
同じタイトルの別映画かと思ってしまった……。
原題は「リクレイム」で、返還とか回収という意味ですね。
子供を望めなくなったスティーヴンとシャノンの夫妻。
海外の恵まれない環境のこどもを養子に迎えるために、
プエルトリコへやってきた。
養子を紹介され、事前に面談した通りの愛らしい女の子が現れる。
父親と母親になったと喜んでいたのもつかの間、
突然養女の姿が消えていて……というお話。
海外から養子を迎えるというのは日本ではほとんどなじみがないですが
ハリウッドのスターなんかはよく報道されていますね。
国際貢献、慈善の精神から、子供に手を差し伸べる分化があるんでしょうが
この映画はそういう善意につけこんだ詐欺と、巻き込まれた夫婦の物語でした。
海外から養子を迎えるには大金が必要で、
それを用意できる人間はカモとして狙われるという。
養子を引き渡したあと連れ戻し、雲隠れして、
つまり金を巻き上げられるだけ巻き上げて、次のカモを探すという。
主人公であるスティーヴン夫妻は、事故が原因で自分たちの子供が望めない。
さらには自身も養子であったため(いい親に育てられたであろう人物像だし)
自分たちも海外から、地震で大きな被害があったハノイのこどもを迎えようとします。
ところがいいなりになってお金を払いすぎたために、
資産を調べられ、すべてを巻き上げられそうになってしまいます。
追いかけてくる詐欺師の集団から逃げ、さらには罪のない子供を救おうと
頑張るんだけど、いや……ほんとに辛い話でした。
実際、こういう話はあるんだなあっていう感覚が辛くて、
ひとの命ってなんなんだろうなって、思います。はい。
善とか悪とか、一概に決められるもんではありませんが、
一定の倫理観が期待できない状況って地獄なんじゃないでしょうか。
最近物騒な事件も多いけど、日本の基本的平和さが身に染みるというか。
そんな感じです。
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