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2015-12-21(Mon)

「セルラー」「ミッシング・デイ」

短めの映画を2本。

「セルラー」

2004年アメリカ映画。
セルラーっていうのは、携帯のことですかね。

ごく普通の日常を送っていた生物教師の女性が突然誘拐され、
監禁された屋根裏で壊された電話をなんとかつなぎ、
偶然繋がった見ず知らずの相手に助けを求める話。
浜辺で青春満喫中の青年ライアンは最初、いたずらかと思うんだけど
あまりにも緊迫した様子に警察へ赴き、
でも騒動が起きて別部署に回されて階段を昇っていく最中、
電話の相手がマジでヤバいことに気がついて、救出のために奔走する……
という流れ。
いやーお見事でした。
警察内部のゴタゴタ、携帯が切れそう、携帯電話の混線などなど
アクシデントを上手にちりばめ、ライアンが頑張るものの
全部後手に回ってしまうというこのハラハラ感を
見事に100分に収めてあるっていう。
助けを求めるジェシカも、決して無力ではなく、家族のために戦う。
隙のない面白いサスペンスでした。超良かった。
携帯が古いんだけど、携帯黎明期を大人になってから迎えたので
ああそうだったこういう感じだったと懐かしみながらも、
違和感なく見られましたよ。若い子だと無理かもしれない、これ。
なにあれ、iPod?とか言い出しそうで。
いやはや、いいものみたなーって気分です。素晴らしかった。



ミッシング・デイ

そしてコレ。公式サイト、一番上にきてる写真がイメージと違いすぎて、
同じタイトルの別映画かと思ってしまった……。

原題は「リクレイム」で、返還とか回収という意味ですね。

子供を望めなくなったスティーヴンとシャノンの夫妻。
海外の恵まれない環境のこどもを養子に迎えるために、
プエルトリコへやってきた。
養子を紹介され、事前に面談した通りの愛らしい女の子が現れる。
父親と母親になったと喜んでいたのもつかの間、
突然養女の姿が消えていて……というお話。

海外から養子を迎えるというのは日本ではほとんどなじみがないですが
ハリウッドのスターなんかはよく報道されていますね。
国際貢献、慈善の精神から、子供に手を差し伸べる分化があるんでしょうが
この映画はそういう善意につけこんだ詐欺と、巻き込まれた夫婦の物語でした。
海外から養子を迎えるには大金が必要で、
それを用意できる人間はカモとして狙われるという。
養子を引き渡したあと連れ戻し、雲隠れして、
つまり金を巻き上げられるだけ巻き上げて、次のカモを探すという。

主人公であるスティーヴン夫妻は、事故が原因で自分たちの子供が望めない。
さらには自身も養子であったため(いい親に育てられたであろう人物像だし)
自分たちも海外から、地震で大きな被害があったハノイのこどもを迎えようとします。

ところがいいなりになってお金を払いすぎたために、
資産を調べられ、すべてを巻き上げられそうになってしまいます。
追いかけてくる詐欺師の集団から逃げ、さらには罪のない子供を救おうと
頑張るんだけど、いや……ほんとに辛い話でした。
実際、こういう話はあるんだなあっていう感覚が辛くて、
ひとの命ってなんなんだろうなって、思います。はい。

善とか悪とか、一概に決められるもんではありませんが、
一定の倫理観が期待できない状況って地獄なんじゃないでしょうか。
最近物騒な事件も多いけど、日本の基本的平和さが身に染みるというか。

そんな感じです。
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2015-12-20(Sun)

ジャスミン

さかいゆうさんのライブに行ってきました。
今年2回目の中のサンプラザ。
夏には鈴木雅之のコンサートに行って、それが初サンプラザで
かなり古めかしい建物よな……って思ったのが懐かしい。
でも駅前なので、ぎりぎりの時間でも安心でしたよ。
大きすぎないので、後ろの席だったけどそこまで遠くに感じませんでした。


今年のはじめくらいにNHKのBSプレミアム「Covers」で見たのが初めてで、
その時に歌っていた「愛・燦々」がすごく衝撃的だったんすよね。
それでまず、「Coming Up Roses」を借りて(お試しで)
あーこれはヤバいやつだ、と。
そのあとは続々とCDを集めて(買いました)、
ライブやらないかしらって思っていたらちょうどやっていたと。
ちょうどいいタイミングだったのだと思います。


CDの音源って、きれいに聞こえるように調整してあるんですよね。
だから、音楽番組で見た時にイマイチだったりするとかなりのガッカリ感なんだけど
(好きなアーティストなら出てるだけで嬉しいもんだとは思いますが)
そのまま、もしくはそれ以上に上手だったりすると最高に嬉しいし、
シングル曲はいいけどアルバムのその他がイマイチだったりとか、
歌詞の言葉遣いがもっさりしていたりだとか、
全部がいいよね、っていうアーティストにはなかなか出会えないもんだと思います。

さかいゆうは全部がいい。声がいいし、歌詞がいいし、曲がいいし。
手放しでほめられないのはビジュアルくらいかな。
あとはライブに行ってわかりましたが、トークはイマイチだったw
シャイな人なんでしょうね。でも、集まったファンもシャイというか
そんなさかいゆうが好き!って人ばっかりなんじゃないかと思いました。
私もその一人だったなと。

アップテンポでもよし、スローでもよし。
サウンドはオシャレで、歌声はのびやかで、歌詞のセンスも良くて。

もともと高音の男性ボーカルが大好きなんですが(ハスキーだともっといい)
久しぶりのスマッシュヒットだったなーって。

今まで気が付かなくてすみませんでした。

今回のライブツアーのタイトルに掲げられている「ジャスミン」
これ、シングルなんだけど、衝撃的にいい曲なのでみんな聞けばいいと思います。

Amazonのリンク貼っておこう。一応。アフィリエイトではないです。

今回、2月に出るアルバムを会場で予約すると
最後に舞台から撮った記念写真にサインを入れて送ってくれるというので
うっかり予約しましたよ。間違いないだろうから、すごく楽しみです。

今回、「Room」が聞けて良かったな。
あと、「ジャスミン」でほんとに泣いてしまった。
照れくさそうに曲にこめた意味を語ってくれたゆうさんがまーよかった。

次のライブも間違いなくいくよ……!
ってなもんです。
年に2回くらいなんだかんだでライブや舞台を見に行くけど、
これからのマストになりそうです。さかいゆう大好きだー!



2015-12-13(Sun)

「ザ・ベイ」

ザ・ベイ

多分あらすじに興味を惹かれて録画。
時間が短かったので、ちょうどいいやとアイロンかけながら観ました。

メリーランド州にあるとある海辺の田舎町クラリッジ。
独立記念日で盛り上がっている人たちを、インターンでやってきた
女子大学生がリポートしている。
物語は彼女の告発になっており、この日、町でなにが起きたのか、
それがなぜ隠ぺいされてしまったのかを説明していくというスタイル。

事件はこの日以前にすでに始まっていた。
町に恵みをもたらしていたチェサピーク湾を調査していた海洋学者が二人、
なにかに食い殺されて海に浮かんでいた。
彼らの死因には疑問があったのに、彼らは何度もレポートを送っていたのに、
目の前の富を手放したくない権力者たちのせいですべてが握りつぶされ、
最悪の悲劇が起きる……!

という話でした。怖かった。海怖い。

舞台になっていうる町に富をもたらしているのは、海水淡水化装置で作られた水。
その水の力で、養鶏産業の規模が大きくなり、町は潤った。
水は安全で、どこよりも美味しい。
そう信じていたのに、実は海には深刻な汚染が広がっており、
プロテイン入りの鶏のエサ、そこから排出されるフンが海に投棄されているせいで、
海にすむ寄生虫がとんでもない進化を遂げて、水の中に潜み、
人の体に入り込んで数時間で一気に成虫へ成長してしまう。

っていうんですよ。虫の成長や人の体内を食い破るあたりはフィクションなのですが
こういうこともありえますよ、っていう発想で作られていると思います。
なので、救急医療の崩壊、緊急時の封鎖問題、疾病対策センターの対応なんかが
こまかくリアルに描かれていて、非常にいたたまれない気分になります。

残酷描写に弱いかたは見ない方がいいでしょうね。
すごい量の死者が出てきますし、人体が破壊される様子もえがかれますんで。


実際、未知の室病、新たな寄生虫なんかが発見された時、
前線で働く医師や研究者っていうのは、本当に大変だろうなと思います。
警察官もね。ましてやこの作品では、ほとんどの町人が一斉に発症しちゃうので
大混乱なんて生易しい言葉で表現できないくらいでした。

あー怖かった。海のような定型ではない場所の対策は本当に難しいだろうな。
くらいしか考えられない自分がとても小さく感じられる作品です。

2015-12-10(Thu)

「ラビリンス 4つの暗号とトランプの迷宮」「ネイバーズ」

中途半端に時間があいたので、短めの映画を二本。

ラビリンス 4つの暗号とトランプの迷宮

WOWOWの紹介ページはこちら。
オランダ・ベルギー作品だそうです。オランダ!やった!

割と子供向けの内容だったかな。
ごく普通の少年フリッケ(そばかす美少年)はある日、自転車に乗った男の落とし物を拾い、
リュックの中から不思議な箱を見つける。
更に入っていたUSBを読み込むと、なんだか素敵な感じのゲームがスタート。
取り説を印刷して遊んでみると、箱はカメラで、写真を撮ってアップロードすると
それがゲームの中に取り込まれるという仕組みだとわかる。
おもしれーと思っていたら、写真に撮られたものはどうやら命を吸い取られた状態になってしまうと気が付いて……。

みたいな話。ゲームゲームしたビジュアルはなかなか面白いけど、
黒幕がわかりやすすぎるというかw
子供向けならこれでいいのかもしれません。
色々とピンチや出会いがあるんだけど、そこまで盛り上がりもせず。
つまり、ビミョーでした。犬がめっちゃ賢いです。


「ネイバーズ」

Amazonの商品紹介ページはこちら(アフィリエイトじゃないよ)。
原題は「Bad Neighbors」で、つまり「悪い隣人」です。

あ、セス・ローゲンだ!っていうのが最初の感想。
これはバカ映画の予感がする、と思ったら案の定とんでもない内容でした。
R15+版と銘打ってあるだけあって、お下劣でしたよ。

主演がセス・ローゲンで、共演はザック・エフロン。
ヘアスプレーのころに比べて、まー大人になりました。
いつものメンツの中では、クリストファー・ミンツ・プラッセもいるよ。
ほっぺがちょっとほっそりしたかな。

子供が生まれて閑静な住宅街に引っ越してきた主人公マックとケリーの夫婦。
愛娘ステラは本当に愛らしく、第二の人生の始まりだ!なんて思っていたら
空き家だったお隣が、大学の社交クラブのクラブハウスになってしまう。
朝から晩までパーティだぜ!ってな感じの超ヤンチャ集団と
仲良くやりたいけど、やっぱりやかましい。
クスリ、酒、女、なんでもありのクラブハウスは子供に悪影響、と
耐えかねて警察に通報したのが運の尽き。
マックVS社交クラブ「デルタ・サイ」の仁義なき戦いが始まる!


みたいな話。
アメリカの映画を見ていると、彼らの(特に若い世代の)
パーティにかける情熱ってなんなんだろうって思わされます。
その最たるものが「プロジェクトX」だったと思いますが
今回もまたすごいw
隣人を煽りに煽りまくるデ・ニーロの物まねのシーンとか、
笑ったり呆れたり忙しい映画でしたが、
日本人の感覚からするとなんでこれで警察に怒られんの、
って思うだろうなーみたいな感じですよね。

大学とのやり取りも、なんというか、
訴訟社会よのう……って気分になったり。
でも最後は夫婦を応援しちゃうし、ラストシーンは無駄に爽やかで
やっぱザック・エフロンは男前だな、で終了です。

あんなのが日本にも大量に沸いたら、その時はおしまいだなって
異文化を楽しめるいいコメディでした!

2015-12-08(Tue)

「バースディ・ガール」

「バースディ・ガール」
2002年作品。舞台はイギリスの片田舎。

銀行員として10年働き続けてきた、真面目がとりえの主人公ジョン。
出会いがないのを嘆くくらいなら、自分から探せばいいじゃんと
花嫁斡旋サイト「ロシアから愛をこめて」でロシア美女を一人調達してしまう。

やってきたのはとびきりの美女ナディア。
でも、サイトでの説明とちがって英語が話せない。なんてこった。
困惑し悩んだ挙句ロシアに送り返そうとするも、
そう告げた夜にあっさりお色気攻撃の前に全面降伏。
きれいで、時々可愛くてけなげなところも見せるナディアにすっかりゾッコンのジョン。

そしてやってきた、可愛い彼女のバースデー。

突然現れたナディアのいとこと、たまたま意気投合しただけというロシア男の二人組。
そろそろ出て行ってくれないかと言うと、一方がキレてナディアを人質に取り
現金を要求してくるという恐ろしい展開。
銀行員で、金庫のカギを預けられているので、ついつい。
銀行から金を持ち出してしまったが、実は三人はぐるで、これまでも世界中で
同じように詐欺を働いてきたらしい。


ジョンは怒り心頭、自分の将来も悲観するんだけど、
なぜか自分と一緒にナディアも置き去りにされている。
警察に突き出そうとすると、妊娠していることがわかる。
かわいそうに思って一緒に逃走。パスポートと旅券はあるから、
目立つ愛車を捨てて徒歩で空港に向かうんです。

最初は、最悪の詐欺師、犯罪者でしかなかったんだけど、
一緒に歩いているうちにナディアのいいところも見えてきて、
ジョンは最終的に彼女を許してしまう、という物語。

犯罪からずっと足を洗いたかったのであろうナディアも、
地獄の底へ叩き落したはずの相手が手を差し伸べてくれて、
この人が自分を変えてくれるっていう希望を見たのかなと思いました。

男と女の感覚の差みたいなものもよく見えたかもしれない。

恋愛と、コメディと、ちょっとのクライムサスペンスで構成されていて、
どこが突出して最高、ってことはないんだけど、
全部まとめてなんだかとっても愛おしいデキになったのではないかと思います。

でね、やっぱり美女は得だなって思わなくもないよね。

二人のやりとりはとにかく、ドラマチックじゃなくて、さりげないものばかりなんだけど
それこそが「ずっと一緒にいられるかどうか」のカギになるもんなのかなー
みたいな感想を抱きました。なんだか目が離せない一本でした。