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2016-01-26(Tue)

「チャッピー」

チャッピー

ずっと見たかったやつ。近場の映画館では上映がなくてクソーってなりましたが、WOWOWさんのおかげでようやく視聴。ありがとうWOWOW!結構趣味が合うよね!

公開は去年、2015年でアメリカ制作。舞台は南アフリカ、ちょっと近未来。
あまりにも犯罪が多いヨハネスブルグで、ロボットの警官を利用し始めたのがことの始まり。
制作者のディオンがさらなる研究に励む中、もっと攻撃力の高いロボットを売り込もうとした同僚のヴィンセントは自分の案を却下され絶賛ディオンに嫉妬中。

でも、ディオンが新しく開発した高度なAIも上司に却下され、彼はうっかり廃棄される予定だったロボット22号を回収、AIを乗せようとたくらむ。
そこに悪党の集団が現れ、拉致されてロボットを奪われてしまったのだが……

みたいなお話。
奪われたロボットには自立型のAIが乗せられ、人格が宿る。
最初はなんにもわからない赤ちゃんと同じような状態で、悪党なんだけど、女は自分をママと呼ばせてかわいがったり、男どももワルの流儀を仕込もうとする。
つけられた名前がチャッピーで、可愛いんだよね。無機質なロボットなんだけど、顔のLEDで表情を作ったり、一生懸命言葉を覚えたり、約束を守ろうとしたり。

見ててやっぱり思ったのは、「火の鳥 復活編」だなっていうやつ。
復活編は主人公レオナが事故で命を落とすも、半分ほどサイボーグになって生き返る話。
脳を半分ほど機械化されたせいなのか、人間は泥の塊に、ロボットが人間に見えるようになっており、彼は大量生産されているロボット「チヒロ」に恋をしてしまう。

チャッピーのフォルムが、このチヒロにとても近い。
うさぎのような耳がついていて、感情とともに動かすさまはかわいい。
機能はとても高いのに、情緒の成長はそれなりで、チンピラをダディと呼んだり、悪事の境界線が非常にまっすぐ、すぱっと切り分けられているのも愛しいポイントかな。

最終的に、チャッピーは悪党の仲間をしていたせいで処分命令が出される。
嫉妬に狂ったヴィンセントのせいで町が混乱に陥る中、チャッピーの「家族」は次々に傷ついていって、そして……


かなりいい感じのSFなんだけど、最後の締め方はかなりファンタジックというか。
この話らしい、夢のある終わらせ方で、細かいことは言わないほうがいいかなって思いました。
こういう話は日本の創作物で腐るほどあるのに、なんでだろう、邦画でここまでちゃんとした作品って作られない理由はなんなんだろうな……。

CGの進化で実写の説得力は格段にあがってきたと思います。
こういう質の高いSFを見られるのは嬉しいなと感じる一方で、国産の名作もみたいかなって。


SFとしてよいと書きましたが、人間らしさとか、善悪っていったいなんなんだろうなと
そんなことも考えられるよい作品でした。
チャッピーのかわいらしさもすごいので、ロボ好きは見るべし。



あと、「アウトポスト37」も見ました。
こちらは異星人に襲われ、一応撃退したもののまだ地球上に残っているやつらが襲撃してくるので、それと戦っている兵士がいるんだよという話。
ドキュメンタリー風で、なかなか面白いんだけど、ちょっと小さくまとまりすぎたかな?
最後までついてきた取材班偉すぎんだろ、みたいな気分でおしまい。
悪くはないけど、そこまでではないかな。

今回はとにかくチャッピー。見てよかった。
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2016-01-22(Fri)

「西遊記 はじまりのはじまり」

西遊記 はじまりのはじまり

ずっと見たかった、チャウ・シンチー監督(少林サッカーなどを撮っている)の西遊記。
やー、素晴らしかった。
少林サッカー、カンフーハッスル、どっちも良かったんですが
それよりも完成度ガーンと上げてきたな!って印象です。

主人公は、三蔵法師になる前の玄奘。
ひよっこ妖怪ハンターで、妖怪を倒すよりも、善の心を呼び覚まして本来の姿に戻したい。
そんな優しい心があるけど、弱い、みたいな感じ。

妖怪のおどろおどろしさと軽快な中華ジョーク、ソリッドなアクションが混じって、ストーリーがテンポよく進んでいくさまが心地よい。
時々どえらい残酷表現突っ込んで来たり、モタっとした笑いを挟んできたり。

水の中に潜む妖怪を倒そうとして失敗、テカテカの豚妖怪を倒そうとするも失敗、
ではもう、強い力を持った「孫悟空」を利用するしかない……となって
女妖怪ハンターに迫られて迷惑しながらも、頑張る玄奘。
玄奘が可愛いんですよ。いいやつそうで、弱くて、でも頑張り屋で。
女妖怪ハンターも妙にかわいらしくて、
なんだかんだで狡猾な孫悟空にしてやられて、
そしてとうとう最後に悟りタイムが……みたいな。

クライマックス部分を見たら、
あーどうして実写版ドラゴンボールをこの人に撮らせなかったのか……!
って思うんじゃないでしょうか。
で、エンディングではもう、感激ですよ。
日本人としてお礼を言いたい。そんな感じの締め方。

とにかく、見せ方のセンスがいい。
CGがめちゃめちゃCGに見えるところとかあるんですけど、
そのおかげで逆に軽やかにみられるというか。
バランスが良いのだと思います。
リアルと虚構のバランスの良い見せ方がわかっていらっしゃるからこそ、
こんなにもエンターテイメントとして質が高くなっているんだろうなーって。

邦画はなぜこのレベルにたどり着かないんでしょうねえ。
最終的にはそんな疑問に行きついてしまうほど、
良い出来でした。妖怪好きは見るべき。間違いない面白さだけど
残酷表現に弱い人はちょっとお控えくださいねって感じ。


あと、「カムバック!

ニック・フロスト主演だから、イギリス映画かな。
サイモン・ペッグの映画を見ていたら必ず会っているんじゃないでしょうか。

かつて子供だった頃、妹と一緒にサルサを踊って賞を総なめにしていた少年ブルース。
ところが大切な試合の日に悪い奴らに絡まれ、バカにされて踊りをやめてしまう。

それから25年も時が流れて、普通のメタボリック会社員になっていたブルース。
ある日上司として素敵な女性が赴任してくるんだけど、
その彼女がまさかのサルサ好き。
これはもう立ち上がるしかないと、再びブルースはサルサを踊り始める。

という話。きれいにまとまっていて、おもしろかったです。
ダンス系、再び立ち上がる系の話好きな人にはおすすめしたい。

あの軽快なステップ、素晴らしいですな。
いいよね、ダンスも。踊れるようになりたいなって思います。こういうの見ると。

2016-01-21(Thu)

「ゾンビコップ」

「ランニング・マン」(2013年アメリカ作品)も
みたんですが、久々にいただけないデキでがっかり。

内容的にはまあまあなんだけど、圧倒的に描写が足りない。
75分くらいで短いなと思ったらこのザマかい!と。
それとも訳あって大幅なカットを余儀なくされたのか?
現状はとりあえず未完成みたいな感じでオススメできず。


で、「ゾンビコップ」。1988年アメリカ作品。

まじめとチャラ男の二人組の刑事、ロジャーとダグ。
ある日起きた宝石強盗事件で犯人をなんとかやっつけたものの
耐久力が高すぎるなど、様子がおかしい。
検死官から「前にもうちに来たやつだ」と言われ
調べてみるとある製薬会社に行きつく。
どうやら不死の命を得るために怪しげな実験をしているらしく
揉み合っているうちにロジャーがヘンテコな装置にIN。
命を落としてしまう。

そのあといろいろあって、また妙な装置にセット。
ロジャーは蘇る。ただし、ゾンビとして。

敵もゾンビ、刑事もゾンビ。
撃たれても死なないし、よーしブッコミだー!

という話。
面白かった。下らな面白かった。
特殊メイクがレベルが高かったからかな?
ナチュラルにやばいセリフが満載なので、行き詰ったときとかにみるといいかも。

2016-01-20(Wed)

「女子ーズ」

「エイジ・オブ・ドラゴン」を見ました。
「白鯨」をドラゴン退治にアレンジした話だったんですけど
いまいちだったので感想は特になしです。

で、「女子―ズ」。

宇宙からやってきた正義のヒーローにうっかり選ばれちゃった
女の子たちの話。
ヒーローはその都度適当に選ばれて、契約の期間が終わればお役御免となるらしい。
ヒーローもののお約束を踏まえつつ、新たに選ばれた5人はみんな女の子で、
苗字にそれぞれ色が入ってるしそれでお願い、みたいなかるーい空気で
それでついつい、5人も引き受けちゃって……

だけどたまには行けない日もある。だって、女子だもん!

というコンセプトの話。
コンセプト通りのデキでした。
5人がみんな可愛くて、それだけでもういいかなって感じ。
ゆるーい話がゆるーく進むので、あんまりなにも考えずにみたい方にオススメ。

ただ、時々挟まれる具体的な名称にドキっとしたり、
小ネタがやたらと鋭すぎたり、
レッドの超問題発言があるのでそこは見ものかもしれません。
これも監督の味だね。

桐谷美玲ファンにはおすすめしたいな。

2016-01-17(Sun)

「人生に乾杯!」

「人生に乾杯!」

2007年ハンガリー映画。

はるか昔、戦争中なのかな。
大きな屋敷に男たちが踏み込んでいるシーンからスタート。
下っ端らしき若い男は屋根裏の捜索を命じられて、
隠れていたうら若い少女を発見。
そっとイヤリングを差し出してきた美しい娘を思わずかばって、
そして時は流れて……

二人は80歳と71歳の老夫婦に。
年金でほそぼそと暮らしているけれど、お金は足りない。
好きなことをして暮らせなくて、息苦しい。
家賃も滞納し、電気も止められそう。
そしてある日、取り立て人にとうとう大切にとっていたダイヤのイヤリングを取られてしまい、爺さんは車に入れっぱなしになっていた銃を片手に郵便局へ。
紳士的に強盗をして、お金を手に入れ、愛車で逃げて、そして妻を迎えに行ってどこまでも。

という話。
貧しさゆえに、やむにやまれず強盗を繰り返していく……
そんでもって夫婦の愛は強いきずなで結ばれていて、ふわっとした映画でした。

映画なのであんまりリアリティ云々いうのはおかしいんですが
警察もめちゃめちゃうっかりしています。
これがハンガリー流なのかなあっていうのが正直な感想でした。
東寄りのヨーロッパらしい。リトアニアの強奪避航と近いかな。

夫婦の望みは、多分普通に暮らしていたら叶わなかったのだろうなーと思います。
古い車を甘く見てたら思わぬ性能を発揮していたり
(後部座席がめっちゃ広くてなんかすごくいい感じ)
最後の方の主役の二人は、初々しい出会ったばかりの恋人同士のようでもあり。

逆に「年金暮らしだけじゃキツイ」とか、「模倣犯現る」とか、
若い世代へのインタビュー映像はいれなくても良かったんじゃないかな。
なぜだかうまいことやってる老夫婦がいて、
それをみんなが応援しちゃっているという単純な構図にした方が
心の中にモヤが残らなくて良かったかも……ね。
強盗あった人のインタビューもちょっとのんびりしすぎだろーって思います。


最後もふんわり。
二人はきっと寄り添いあいながら海を眺めているのでしょう。
深く考えずに、優しい気持ちでみるとよし。かな。と思いました。