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2016-06-14(Tue)

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」

1994年、ハリウッドの作品。
原作はアン・ライスの小説「夜明けのヴァンパイア」だそうで。

当時、トム・クルーズとブラッド・ピットのイケメン共演!
みたいな感じで騒がれていたなあ、と思うんですが
天邪鬼なのでそんなイケメンイケメン言ってこの野郎って
まったく見ずにおりました。

トム・クルーズはさすがとは思うんだけど、いまだにそこまで好きではなく
ブラッド・ピットに関しては「セブンイヤーズインチベット」などで
なかなか美しい人だったのなって最近感心したので
いい機会だし見てみよっと、という流れ。


物語はサンフランシスコからスタート。
ライターのマロイが誰かにインタビューしているところから始まる。
黒髪の青年ルイは自分はヴァンパイアだと話し、
これまでの二百年の人生について語り始める。

ニューオリンズで農場主をやっていたものの、
妻は出産で死に、子供も助からず、途方に暮れていた。
もう死んでしまいたい、誰かに命を絶ってもらいたいと願って
自暴自棄な暮らしをしているものの、そう簡単に殺してはもらえない。

するとある日、レスタトという男が現れる。
苦しみから解放してやろうと囁く彼に噛まれ、
ルイはヴァンパイアとして覚醒するんだけど……。

という話。ルイは人の血をすすり、命を奪うことにどうしても抵抗があって
苦しい思いをしながらも自分を戒めて生きていきます。
ペストの流行で生き残った少女を噛んでしまったり、
ヴァンパイア化した彼女に振り回されたり、
レスタトの容赦のなさについていけなくなったり。

意識は人のままヴァンパイアになってしまったルイの、
放浪の人生の物語でした。

特に良かったのは、少女ヴァンパイアを演じたキルスティン・ダンスト。
すごい。本当に素晴らしい。
肉体が少女のままでいる自分に疑問を抱き、
本能のままに命を奪い、大人になりたいと願い、
ルイの優しさを愛する彼女は、子供と大人が同居した
すごく複雑な魅力にあふれておりました。
単純にものすごく美しいっていうのもありますけど、
いや、ビックリ。きれいだった。

勝手なイメージのヴァンパイア通りだったのは彼女だけで、
トム・クルーズとブラッド・ピットはなんか違うかな……みたいな。
バンデラスもちょっと違うよね。え、バンデラスなの?って思ってしまった。
もう少し線が細くて消えてしまいそうなはかなげな人が演じた方が
良かったかなあなんて思っちゃうんですけど。
少し前のデイン・デハーンとかね。あんな感じの透けちゃいそうな感じ?

みんななぜかゴリっとしてて、そこが不思議で。
不健康な印象が薄くて気になりましたとさ。

話自体は面白く、ラストは結構意外な締め方でね。
なんだかんだ二人は仲良しってことなの?って思ったら
もうちょっとゴリ感の薄い人たちの方が雰囲気でたんじゃないかな。
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2016-06-13(Mon)

「バッドガイ 反抗期の中年男」「リアル刑事ごっこ in L.A.」

ちょっと地味めで短い二本まとめてメモ。


「バッドガイ 反抗期の中年男」 2013年、アメリカ作品。

あらすじが面白そうだったんだよね。
40歳独身男のガイが、規則の穴を抜けて
こどもたちの為の知的格闘技であるところの
「スペル大会」に強引に参加し、優勝を目指すという話。

スペル大会というものが一体なんなのかというのが
まず日本でなじみがなさすぎるというのが第一のハードルでございました。
みてたらなんとなくわかるんですが、
ちょっと難しい単語のスペルを正確に当てるというもの。
知らない単語でも、語源や意味、用法を聞いて推測してもいいんですが
なんにせよ非常に知識の量を求められる競技なのです。
基本的に子供のための大会(8年生修了までの者に限られている)なのに、
自分は8年生を修了してないからいいんだ!
更には新聞社などの推薦がないと参加できないんだけど
参加規約を読み込んでそのあたりもガッチリクリアしてある。
主人公ガイは結構なヒネくれ者で、
隣に座った頑張り屋の子供たちを罠にかけて積極的にひっかけたり
自分に協力してくれている記者の女性と愛のないセックスをしたりとまあ
やりたい放題であんまり好感度が上がらないw

彼がこの大会に出たのには強い理由があってのことだし、
全国大会に向かう飛行機で出会った10歳のチャイタニアとは
大人なりの友情をはぐくんだり、いいところもあるんだけどね。

親子の繋がり、子供の勝利のためとはいえ、親がどこまではりきるかなど
いろいろと訴えたいことが詰め込んである作品かなあって思いました。
ただ、なんとなく突き抜けたいいところがなくて、惜しい感じ。
締め方とかは良かったんだけどね。
だけどまあ、ライバルの蹴落とし方がちょっとエゲつなさすぎて
どうしてもガイに肩入れし切れないっていう。
笑いの部分のブラックさがやりきれない、ちょっと切ないコメディです。


「リアル刑事ごっこ in L.A.」
こちらは2014年の作品。もちろんアメリカの。

学生時代からの友人同士であるライアンとジャスティン。
一方はアメフトで将来を嘱望されていたのに、けがのせいで挫折し現在はニート。
子供たちに一方的にコーチとして押しかけ、公園でわあわあ騒ぐ日々を送っている。
一方はゲーム会社に就職したものの、意地とセンスの悪い社長のもとでは実力を出せず
ひたすら雑用を任されるばかりの切ない日々。

そろそろ田舎に帰ろうかな、なんて思いがよぎっていたある日、
同窓会のお知らせが届く。仮装パーティだと思って警官のコスプレをしていくと、
実際は仮面パーティでみんな正装している。
過去の自分の活躍をビデオで見たり、今どうしてる?と聞かれて大口をたたいたり
二人はすっかり自己嫌悪に陥ってすごすご帰るんだけど、
その帰り道、街行く人から「本物の警官」扱いをされてライアンはすっかりご機嫌に。
ジャスティンに止められたものの、警官ごっこが超楽しくて
パトカーをオークションで競り落とし、勝手に階級章をつけ、
無線まで勝手に聞いておまわりさんごっこをし始める。

ギャングに絡まれて困っている町の人を助けたのをきっかけに、
悪いやつらに目をつけられた二人。
本物の警官の目をごまかしつつ、最後はとうとう大ボスとの対決まで行くんだけど……

っていうお話。
悪ふざけがすぎるでしょう、っていうのが正直な感想w
ライアンのノリの良さについていけるような、ついていけないような。
ジャスティンは結構良識的なのでなんとか事態を収束させようと頑張るんだけど、
ライアンのゴーゴーぶりに振り回されて最後は一緒にゴーゴーゴーですよ。

割と王道なつくりの物語かな。
ある意味、安心して見られます。面白いけど、なんとなく地味。こちらも惜しい。そんな感じでした。

2016-06-12(Sun)

MX4D

アクション映画を3Dで見るのは結構楽しいことで、
「アバター」とか「ゼログラビティ」とか
これこそ映画館で見る醍醐味だよなあ!なんて思ってたんです。

で、更にそれを上回る「4D」ですよ。
椅子が動き、風が吹いてくるっていう。
興味があったんだけど、近くでやってる映画館がなくて。
だけど昨日でかけた先に対応している映画館があったので
思い切って見てみることに。

高かったけど!
しかもまた「デッドプール」の字幕なんだけど!

4Dも2種類あるらしく、私が体験したのは「MX4D」の方。
まず入ろうとした時に、荷物は下にはおけないから、
膝の上に置いたままにするかロッカーに預けてくださいとのこと。
食べ物もあんまり持ち込まない方がいいよ、みたいな文言があったので、
荷物はロッカーに突っ込み、お茶だけもって劇場へ。

椅子が大きくて、前後の幅が大きく空いてる。これは快適!

ただ、動くからね。誰かが座ると揺れるっていう。

で、どきどきしながら上映が始まってまずは予告なんだけど、
予告は練習なのかな。そこからもう動くし風が吹き付けられるし。
フラッシュがピカー、そしてミストがブシュー。

ワンピースの予告でスプラッシュを浴びせられるとは……と
ぐぬぬってなりながら本編スタート。
デッドプールはやっぱり面白い。
吹き替えが良かったけど、それはまた今度。

デッドプールはアクションが多いので、椅子がガッタンガッタンなります。
その時やられている人物の動きに合わせて、
背中、腰、尻、腿にドッスンドッスン刺激が。
疾走すれば風が出てくるし、誰かが切られると水がプシュー。
お化粧が気になる方にはなかなかハードな仕様。
一番効果がすごかったのは、におい。
たぶん同じ匂いだったと思うんだけど、
なんとも言えない香りが吹き付けられて
アルコールをぐいっと飲み干した感覚がありました。
あと、埃っぽい感じも出た。

USJのE.T.も匂いの効果がついてたけど
結構クるもんだなって。
匂いだけは映像にはついてなかったものだから、
新しい体験だなあって思います。

動きはなかなか面白くて、でもベルトはないので
投げ出されるような激しさはなく。

面白かったんだけど、難点がひとつありました。
私はあんまり背が高くないので、足置きに足が届きませんでした。
だけど足を投げ出してるとちょっと危ない感じがあったんで
一生懸命力を入れてたんだよね。

なので終わったあと、足が痛いのなんの……。
ほかにも「膝が痛い」って言ってる人が結構いたので、
ちびっこはやめておいた方がいいのかもしれませんw

あと、集中して見られないので、
字幕をしっかり読む時間が若干削られるかも。
二度目だったのが幸いしました。はい。

とにかく気になってたので、一度体験できてよかった!
これ、IMAXの3D+4Dってスタイルもあるみたいなんだけど
3D+揺れ、字幕のコンボは無理じゃないかなw

2016-06-09(Thu)

「エレファント・ソング」

エレファント・ソング

2014年、カナダの作品。日本での公開は2015年だったのかな。
いや、えらいもの見ちゃったな……というのが正直なところ。

舞台は精神科の病院。
ひとりの医師が失踪し、彼の行方を唯一知っているであろう人物は
入院患者のマイケルだけ。
院長のグリーンは聴取しますが、マイケルに翻弄され続け、
そして最後には衝撃の展開が!

マジで衝撃の展開でやんの……。って思いました。
あらすじを書いてしまうとかなりしょうもないことになると思うので
どんな作品か知りたい方は公式サイトを見て、
興味を惹かれたら見てみたらよろしいのではと思います。

先日見た「トム・アット・ザ・ファーム」を撮った監督が主演。
監督としてもすぐれているのに、どうやら役者としても非凡な才能をお持ちのようです。
感性の鋭い方なんだろうなあって、
早死にしてしまいそうで心配になるほどだよ……。



幼い頃に愛情を与えられなかった人生というものに、
私は特別に興味があるのかもしれません。
題材として興味深いと感じているのではなくてですね。
愛情を与えられなかった人間はどうなってしまうのか
どうしたら救えるのか、知りたいし納得したいのだと思います。


グリーン院長、ダンディでステキでした。
マイケルの壊れた様子と、内に秘めた深い悲しみ。
よく伝わってきて、見ていて辛くなるほどでした。

舞台となる病院の薄暗さと、思い出の映像の美しさのコントラストもいい。
とても重たい内容、テーマの作品ですが、
たまにはこういうのも見て、人間の不完全さに思いを馳せるのもいいんじゃないかなって
そんな風に思うんです。

2016-06-06(Mon)

「ライド・アロング ~相棒見習い~」

「ライド・アロング ~相棒見習い~」

2014年ハリウッド制作。
ちょっとチビっこな高校の警備員ベンは、いとしい恋人のアンジェラと同棲中。
そろそろ結婚したいけど、彼女のアニキに嫌われてしまっている。
アニキはものっすごい強面のデカで、なんとか許してもらおうと
警察学校へ入学して刑事になってやるんだー!とただいま気合をいれているところ。

ところがやっぱり溝が埋まらなくて、
刑事になるというベンに、じゃあ24時間俺についてこい、というアニキのジェームズ。
解決するのが厄介な面倒ごとをベンに処理するようにいい、
それでなんとかあきらめさせようとたくらんだジェームズだったんだけど
企みに気が付いた上、ずっと追いかけていた悪の元締め「オマール」の尻尾をちょうどつかんじゃって大ピンチ!

というバディムービー。
いやー、とにかく、ジェームズを演じているアイス・キューブの顔が強いw
「21ジャンプストリート」でも大活躍しておりましたけど、
とにかく迫力があるよね。頑固そうなのもいい。
そしてベンがとにかくやかましい。口の減らないFPSゲーマーなんだけど
それが意外なところで特技として役立つっていうのも良かった。

町の巨悪であるところのオマール、
あーこの顔誰だっけー知ってる知ってるうー
って思っていたら、ローレンス・フィッシュバーン。
モーフィアスだったんだねえ。彼も良かったです。はい。

ベンがちょっとやかましすぎる以外はとてもよくできたわかりやすいエンタメ作。
これがDVDスルーなんだなあっていうね……。
日本ではこう、確かに、アイス・キューブったってだれよってなりそうで
仕方ないとは思いますけども。面白いのになー。
爆発もド派手で良かったけどなあ。楽しいよねえ。

最初は水と油だった二人が、ゆっくりと理解しあっていく様子とか、
適度な下ネタと笑い、バランスのいい作品でした。
最後まで油断できない展開で、上々ですよコレ。
お父さんとかと一緒にみたら間違いなく盛り上がりますな。