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2016-07-09(Sat)

狼少年の憂鬱

「狼少年の憂鬱」という話を書いていました。

もう6年近く前に、本当に唐突に小説を書き始めたんですが、
最初に書いたのがこの話で、その時は「狼少年の初恋」ってタイトルでした。

小説を読むのがとても好きで、20代の前半くらいまでは本当にアホみたいに大量に読んでいたんだけど、仕事がハードで読めなくなって結構経っていたんですよね。
むかーしむかし、TRPGが大好きな頃に一度自分で書いてみようって思ったことがあって、だけどその時は「無理」って思ったんです。他人に理解できる文章になってないって、すごく思ったんで。
グラフィックの仕事をしているのもあって、自分には文章で誰かになにかを伝えるのは違うとも思ってしまって、それっきりでした。

それから何年も経って、突然ですよ。衝動的に書き始めました。
それも、そもそもは箇条書きだったんですよね。
漫画の原作とか、そういうことができないかと思ったんで。

でも、その箇条書きも「読んでる相手に伝わらない」って思ったんですよ。
読み返してみて、これでわかるのかな?って。
それで詳しく書いたら、なんとなーく小説になった気がしちゃって、ちょっと頑張って、よし、書いてみようって考えて。
それでね、かけた気分になったんですよ。その時はね。

途中まですごい勢いで書いて、でも、それをどうするかは考えてなくて。
ただ、とにかく自分ひとりでやっていたら、最後までいけないだろうなって感じていました。
自分だけのために書くのは楽しいけど、いつ途切れても平気だし、頭の中で考えるだけならどんなパターンでも自由だし、どんどん都合のいい感じになっていってしまう。
そうなればますます、文章にする理由がなくなっちゃうんだろうなと。
それで、どうにかならないか調べていたら、小説家になろうを見つけたんです。
少し覗いてみたら、投稿されたものが読みやすくて、こんな風にまとまっていたら楽しいだろうなって思って、アカウントを作りました。

で、好き勝手にどんどん投稿して。
ちょっとだけど読んでくれる人もいて、それで最後まで書ききることができました。


ところが、私にはあんまり学がないし、小説を読まなくなって久しいし。
仕事でも文章なんて作らなかったんですよね。
企画書なんかは作ったけど、小説とはまったく違うわけでして。

だからもう、すんごいひどかったんです。
自分で「お、結構いいじゃん!」って当時思っていたものは。

内容も重苦しいし、いろいろ反省点が多すぎて。
もちろんこれがあったから、その次ができたんですけど。
私は本当に運が良くて、親切な人がアドバイスをくれたんですよね。
文章作法なんかについて、こういうもんなんですよ、って。
読んでくれる人が最初からいて、指導ってほどじゃないけど、アドバイスしてくれる人がいたんですから。
その方とは別に、相互お気に入りになったりとか、そういう展開もありませんでした。
本当にたまたま見つけて、親切に声をかけてもらっただけでね。

あの親切がなかったら、続かなかったと思います。
そういう意味で、私は本当に運がいい。
なので「狼少年の初恋」は大事な作品だったんですけども、そのあまりの出来の悪さにたまに耐えられないこともありました。

ほかにもいろいろ長編、短編を書いて、作品欄がごちゃごちゃしてきたのもよくなかった。
人生いろいろあって、なんか知らないけど意味もなくののしられたり、WEB特有の変なこともあったりして、で、結局、消しちゃったんです。残しておいてもよかったのにね。


そういう後悔をしていたところに、去年なぜか同じような時期に立て続けに、
再掲載してください、ってメッセージをもらったんです。

じゃあ、そのままじゃなくて、ちゃんと書き直そうって思ったんです。
文章力はそこそこ止まりの私ですが、あのころよりはまだマシになったはずだから。

タイトルを変更したのは、もともとこうしようと考えていたからです。
あのころ、同じタイトルがないか心配で検索したら、
かなり近いものが見つかったんですよね。連載中のものが。
なので遠慮したんですが、もう時間もだいぶたって状況も変わったんで。
初恋ってダサくないかなと思っていたので、変更しました。

で、文章だけ直そうと思ったら、結構あれこれ変わったところもあって。

再掲載してくださいとか、してくれてうれしいですって声はいくつかあったんだけど
そういう方々からの反応ってここまでほぼないんですw
ただ読めればいいってことなんでしょうけども、
もしかしたら変更点が気に入らなかったのかな……。

だったら申し訳ないので、ここで謝っておきますね。ごめんなさい。

初恋を書き上げたときにもらった感想と、この5年で私自身が変わったのと。
そういう理由で、ちょっとだけ変えてます、設定を。


せっかくだから、ここになにが変わって、どうして変えたのか書いておきます。

・玲二がちょっとバカになった

 →いくらなんでも気取りすぎだって思ったからです。
  見た目も頭も良くてモテるのに、恋愛ダメって話にしたかったんですけども、
  それにしても紅茶と読書が好きで成績も一番とか、やりすぎだったので。
  15歳の男の子らしい部分も出そうと、偏差値を少し低くしました。

・良太郎の出番が大幅に減った

 →玲二といつき、二人を食っちゃってると思ったんですよね。
  万能すぎて使い勝手が良すぎた。だから、削りました。
  「初恋」の感想に、玲二と良太郎のBLとして読んだ、ってきたのも一つの原因です。
  いつきの存在感を上げるのが「憂鬱」版の使命のひとつでした。

・玲二の母が弱くなった

 →お母さんがムカつくっていっぱいいわれちゃってね……。
  かわいそうで、つい。
  あとは玲二の設定をひとつ際立たせるために、ちょっと弱めにしました。

・龍との絡みが増えた

 →前半、玲二の運命の日までの流れはほぼ同じで進んだんだけど、
  後半からはかなり内容を変えました。
  「初恋」の時、全然書ききれなかったんです。初心者すぎて。
  構成もすごく悩んで、これは二人の恋の話なんだから、二人の恋だけを追わなきゃって
  そう考えて、こじんまりさせすぎたなと思ったんですよね。
  なので「憂鬱」では、人間じゃないんだって部分をクローズアップしてます。

・第三者視点をカットした

 →基本的に、玲二といつきの二人が交互に日々を綴るスタイルで書いてたんですが
  「初恋」版では玲二の母、ライ、良太郎視点の話も混ぜてました。
  でもそれって、ズルじゃないかなーって思ってしまって。なのでカット。
  最終話は前の方がスッキリまとまってていいかなという気もしつつ、
  最後の最後でブレるのもかっこわるいかなと、いつきで締めました。
  一路と迷ったけど、でも主人公はあくまで二人なので。


一方に秘密がある設定なので、一人称交代制で書いたらいいんじゃないかって思ったんですが
一人称って難しいですよね。本当に。これでよかったのかどうかはわかりません。

サブタイトルは時々もとのまま、視点変更のタイミングはズレました。
章のタイトルはイメージソングみたいな感じで、曲名になってます。
前はスピッツの「甘ったれクリーチャー」を脳内テーマソングにしてたんですが
今はさかいゆうさんの「薔薇とローズ」に変わっています。
あの曲と出会ったから、ちゃんと書き直せたんじゃないかと思っております。

とにかくなんにせよ、最後まで書けて良かった。

「初恋」版は、前半が40万字、後半が25万字で合わせて65万字くらいでした。
今回は統合して60万字。ぴったりです。Nコードは9999、完結は7月7日の7時。
数字だけならパーフェクトだ。


最後の方、書いてて思ったのは、これって「ブラックドラゴン」だなあってことです。
「俺のスイートハートは最強のブラックドラゴン」という話がありまして、
私はこれを、狼少年のセルフカバーとして書いてます。

普通の子と、人間じゃない存在との恋愛で、肉体関係が大きなハードルとして立ちふさがってくる。
一見違うように見えますが、中身は同じ、味も一緒です。
世界観も同じ。
具体的に言うと、「狼少年」の10年後の世界が「ブラックドラゴン」です。
あとは、「愛と憎しみのエリィ」ですね。これは「狼少年」の5年後くらいの話かな。

「ブラックドラゴン」には葉山良太郎が、
「愛と憎しみのエリィ」にはカラスが登場します。ちょっとだけね。

世界観考えるのって大変なんですよね。
だからたまに、こんな風にささやかにつなげてみたりしていますよ。


あと、「初恋」にはオマケがあったんですけども、
それはまた後日、用意しようと思ってます。
そのままいけるかなと思ったんだけど、設定変更されたところがあるので修正して。
すっごい下世話な話なんでやめようかと思ったんですけど、約束したのでアップします。

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2016-06-30(Thu)

「シビル・アクション」

「シビル・アクション」

1998年のハリウッド映画。古いね!
実話をもとにした作品でした。
主演はジョン・トラヴォルタ。

主人公のジャン・シュリクマンは弁護士なんだけど、
基本的に傷害事件を得意としており、
最初にぶっちゃけてくるんだけど、
被害者がどういう状態だと一番稼げるか、なんて
ものすごく下世話な基準を設けている。
弁護士の報酬のあり方というものがはっきりしているので、
確かにきっと、白人の専門職、40歳で稼ぎ盛りの既婚男性の担当が一番儲かるのでしょう。
そして一番お金にならないのは、子供の被害者なんだ、でナレーションは終わり。

そんなお金にならない案件を、ある日持ち込まれるのです。
ラジオで法律相談をしていた時に、生電話でののしられるという形で。
2年前に依頼したのに知らんぷりなのかと言ってきたのは、
マサチューセッツのある街に住むひとりの女性で、
息子を白血病で亡くしています。
元気だった子がいきなり病気になって、あっという間に死んだ。
息子の死に納得がいかなりアンには、裁判で争う相手が見えていないんです。
なのでジャンはこの依頼は受けないと決めるんだけど、
スピード違反で取り締まりを受けた時に、見つけてしまうんです。
どうしてこの土地で急に白血病にかかり、子供が次々死んでしまったのか。

大企業の工場が並んでいて、そこからなにかが垂れ流されている。

これはビッグビジネスの予感!と、ジャンはこの依頼を受けます。
たくさんのこどもの命を奪ったのは、工場から出された発がん性物質であり、
そのあたりに適切ではない方法で廃棄されたから、井戸水にしみこんで、
健康被害がでてしまったんだと。

最初はいっちょ金もうけするか!ってな意識のジョンでしたが、
子供を失った親の哀しみ、勤め先を裏切りたくはないけれど、
汚染された土地で子供を育てている従業員の証言などを得て、
さらには企業側の弁護士のやりくちに腹をたてて、
少しずつ、忘れていた「正義の心」を思い出していくんです。

最終的には相手にしてやられまして、
事務所のお金はなくなり、所属していた弁護士は全員家を抵当に出され、
本当に1セントも払うお金がなくなり、みんなバラバラになってしまい、
やむを得ず相手の和解案に乗らねばならなくなりました。

本当にどん底に落ちてしまう、ジャン・シュリクマン。

彼は小さな小さな事務所を街角に構える羽目になるんだけど、
それでも情熱を失わない。
むしろ、失うものがなくなったから、パワーアップを果たす。
自分の信念を取り戻し、もう一度証拠を探し出して、再び法廷に立つのです。

弁護士ものっていろいろありますが、
弁護士ものの王道って感じの話でした。
弁護士になりたてのひよっこか、慣れ過ぎて金の亡者と化したベテランが、
本当の正義とはなにかに出会うみたいな話のひとつです。

でも、実際にすべてを失って、それでも立ち上がって被害者を救った人物がいるんですもんね。
ジャン・シュリクマンはこの後環境問題専門の弁護士になったのだそうです。
潤沢な資金を持っている相手は強いw 
この作品は、企業側の弁護士を演じているロバート・デュヴァルがすごくいいし、
ジャンの事務所で経理を担当するウィリアム・H・メイシーがすごく良かったです。

結構前の映画なのに、不思議と古臭さも感じませんでしたよ。
レインメーカーはあんなに「古っ」って思ったのになあ。

2016-06-28(Tue)

「パレードへようこそ」

パレードへようこそ

2014年、イギリスの映画。原題は「Pride」ですね。
邦題はとっても柔らかくなっております。

舞台は1984年。イギリスで炭鉱夫たちがストライキを起こした時の物語。
炭鉱が閉鎖されようとしていて、仕事を奪うなって立ち上がるんですよ。

だけど、ストライキを起こすも成果はなかなかでない。
政府が強いんです。強い姿勢で臨む!とサッチャー首相はこぶしを振り上げている。

そこで立ち上がったのが、ロンドンで暮らすゲイやレズビアンたち。
自分たちの権利を訴えるためのパレードをした日に、
参加者の一人であるマークは、炭鉱で働く人たちのために募金活動ができないかと考える。
サッチャー首相と警官は自分たちにとっても敵で、
敵の敵は味方なんじゃない?みたいな発想で。

ところがやっぱり、偏見があるんですよ。
団体名も炭鉱夫を支援するゲイとレズビアンの会、みたいなダイレクトなものにしちゃったので
応援させてくださいと連絡しても電話をすぐに切られちゃうんです。

最初は炭鉱夫たちの組合に連絡していたんだけど、
けんもほろろの対応によっしゃと奮起。
それなら直接どこかの炭鉱町に電話してみようと。
すると受話器の先で対応したのは親切な老婦人で、
炭鉱町ディライスから代表の男がやってくる。
まさかこんな団体だったなんて……と驚く代表のダイだったけど、
(団体名をちゃんと聞き取れておらず、LGSMという略称だけ伝わっていたので)
偏見を持っていない彼はゲイバーでの歓待にもひるまず、
支援に感謝しますと挨拶してくれるんです。

そこから始まる、ディライスとロンドンのレズビアンとゲイたちの交流物語なんですが
もちろん、一筋縄ではいかなくて……。

というお話。

今よりももっともっと理解のなかった、
不況、それから宗教感や、エイズの流行の始まりなどなど
1984年はゲイのみなさんにとって厳しい時代だったんですよね。


ディライスのみなさんは最初こそイロモノを見る目でLGSMのメンバーを見ますが
交流を重ねていくうちに偏見は取れて、
それどころか彼らは信じられないくらいの規模の支援をしてくれるんです。
心ない攻撃に負けず、明るく前向きに突き進んで、
最後にはお互いにはっきりと打ち解けます。

もちろん、問題はいっぱいあるんですよ。
かつての恋人がエイズにかかってしまって、不安に陥る者もいるし、
既にエイズに罹患していて今後が心配な者もいる、
家族にゲイなんだと打ち明けられず、バレて家に監禁されちゃう子もいるし、
乱暴なやつらに殴られて入院させられたりとか、

正直な自分で生きていくことは難しいんだなって思うんだけど
それでも彼らはみんな、困難でもまっすぐに進んでいくんです。

仲間がいて、理解してくれる人がいると知るのは人生をどれだけ豊かにするだろう。
そんな思いが伝わってくるんです。

ところがやっぱり、異端を許せない人というのはどこにでもいて、
強い悪意を持ってLGSMを追い払ってしまうんです。
お前らなんか及びじゃない、出ていけ。
せっかくはぐくんできた信頼を部外者が勝手に打ち破って、
小さな町と小さな自由を求める団体は離れ離れになっちゃうんです。

それでもね。
大切な友人ができて、自分の生きる道をはっきりと知って、
愛する人の隣を歩んでいこうって決めて、
それから、受けた大きな恩に、最後はちゃんと報いようって思うんです、みんな。

次の年のゲイ・パレードには信じられないくらいたくさんの人が参加するんです。
支援に心から感謝した炭鉱夫たちがやってきて、
彼らの権利を認めようって一緒になって歩いて、それでおわり。

これ、実話なんですよね。
人のために生きるっていうのは、なかなか難しいことだと思います。
相手がどのくらい喜んでくれるかわからないし、
自分を犠牲にしてでもって、そう思えるもんじゃないですから。

でも彼らは見知らぬ誰かのために走り回って、
それに救われた人が大勢いたんです。
とてもいい話で、でも全然説教くさくなくて、悲観的でもなくて、さわやかでね。

イギリスはこういう映画よく作りますね。
リトル・ダンサーも同じ時代の話。
フル・モンティとかも不況に苦しむ中ではじける話ですね。
でも一番思い出したのはキンキー・ブーツだな。

なかなかいい映画でございました。
ゲイのみなさんもレズビアンのみなさんもステキで。
ついつい深夜まで見てしまって寝不足になりましたが、良かったです。

2016-06-26(Sun)

逆転裁判6

逆転裁判6をクリアしたので感想をメモ。

逆転裁判は1~3でひとつのシリーズであり、
4は人気あるしもっと作ろうとして失敗して、
5でそれを挽回しようとしたんだと感じてました。

4で壊してしまったなるほど君を5で復活させて、
で、4からうまく使えていなかったおどろき君を
6でもっときれいに昇華させようとしているんだなって
そういう風に感じてしまう出来なのはとりあえず頂けなかったw

キャラクターはみんなよくできていてそれぞれに魅力はあるものの
シリーズを重ねてきた宿命を負わされており、
初期から出ている人物よりも濃く、ありえない設定をされてます。
仕方ないんだよね、キャラ被りをしないように、
インパクト出さなきゃっていう縛りがあるから
今更普通のキャラなんて出せないとは思うんです。

で、結論からいうと、よくできたゲームなんですよね。
逆転裁判はシステムがしっかりしているからやっててストレスが少ないし、
新しく出てきた霊媒系の仕掛けも面白いと思った。


おどろき君関連の総まとめを今回はしているんだけど、
ちょっと壮大にしすぎたんじゃないかというのが気になる点その1。
彼は声が大きくて一見元気系なのに、内心は結構ネガティブで
ちょっと虚ろな印象なんだよね。元気が長続きしなさそう。
なるほど君との差をつけたのかなと不思議だったんだけど、
今回彼のバックボーンが全部出てきて、これについては納得。
とはいえ、あまりにも不幸すぎやしないかと気になる。
4で見せたみぬきちゃんとの関わりが希薄で、これもすごく気になったんだけど
どうやらエンディングを見る限り次作へ引っ張るつもりらしい。

2人の関係性がスッキリしないので、みぬきちゃんが薄情に思えてしまうのも悲しい。
というかみぬきちゃんは飄々とし過ぎていて、好きになるポイントが見た目しかないような気が。

真宵ちゃんは満を持しての登場だったけど、大人になりすぎててちょっと違う感じ。
これなら一途になるほど君一筋のはみちゃんの方がいいんじゃないかと思える。

とはいえ、みんな見た目も良くてキャラはそれぞれ立ってる。
ナユタ検事もいいし、レイファは文句なくかわいい。

で、6を完全なおどろき君物語にしたせいで、希月ちゃんが完全に持て余されてしまった。
第4話の「逆転寄席」は正直なんなのかなって引きました。
ほかのエピソードにちっとも絡んでないし、導入もすげえヘタで。
ユガミ検事とココちゃんを出したかっただけ感がありすぎるし、
カウンセリングは唐突だし、それに推理部分がお粗末すぎる。
逆転シリーズはある部分で飛躍した推理をすることで真犯人にいきつくというスタイルなのはわかっているんだけど、それにしてもこの4話に関しては乱暴すぎてただのいいがかりに見える。
ただのいいがかりをそのままあっさり真実にしちゃってるように感じて、
えーって感じ。プレイしてて「えー?」って言っちゃった。

そもそも被告人のことを知らない、事前の準備が本当にゼロっていうのは
シリーズ通して初めてだったんじゃないかな。
こんなのダメでしょとしか思えなくて、プレイしてて悲しい気分になるっていう。

この超推理ぶりはほかのエピソードもそう。5話以外は結構トビすぎ。

あとはナユタ検事がいつでもどこでも法廷にいすぎて違和感。
いくら架空の裁判ショーとはいえ、タイトすぎる。
そういう部分を上手に見せる方法がなかったのかなあ。
巧さんなら上手にやれたんじゃないかなあ……って思っちゃうんです。

逆転裁判は1~3が良すぎた、って話なのかな。
あの頃のキャラクターが続投しているせいで遊んじゃうんだけど
それが悔しいと思えるあたりに悲しみがございます。

よくできてるんですよ。水準以上っていうのは確実なんだけど。
だけどちょっと、ものすごく頑丈な土台の上に、
ちっちゃいちっちゃい家を建てたみたいな物足りなさがある。
6をプレイするには5をやってないとワケわかんないし、
5をやるなら4を、4を遊ぶなら1~3やってないと難しいと思うんだけど
そうなると確実に物足りなさを覚えるというジレンマ。

もうちょっと頑張ってほしいな!
もうちょっと納得いく感じにしてほしいの。
人気のキャラクター・シリーズにあぐらをかいてないつくりにしてほしい。

正直、大逆転の2の方が期待できると思ってます。
あっちの方が断然ワクワクしたし遊んでて楽しかった。
6は、どういう理由でこんな話になったのかという部分は気になったけど
オチまで無駄に引っ張られているなあと感じたので。

それでも7が出たら遊んじゃうと思うけどね……。
文句ばっかり書いてるけど、こまかいこと気にしない人なら間違いなく楽しいと思うんだな。

回顧厨ってやつですかね。自分でもちょっぴり悲しいな。

2016-06-25(Sat)

「キャノンレース」

「キャノンレース」

2014年 ノルウェーの作品。

予告編の映像はこちら

たまたま出会った走り屋がお互いの車を並ばせるところからスタート。
主人公のロイは臨月の妻を乗せているというのに悪友TTの挑発に乗って
レースをスタートさせるも、向かいから走って来たトラックを避けるのに失敗。
車はひっくり返り、二人は無事だけど奥さんは破水。
赤ちゃんはちゃんと生まれたものの、こんな危ないヤツはお断り、と
妻の両親から離婚を突き付けられてしまう。

以降12年、離婚2回、スピード違反は120回。
いまだに愛車マスタングで走り続けるロイのもとに、
娘ニーナが預けられる。
離婚した元妻が育てているものの、旅行には連れていけないらしい。
(どうやら新しい夫との間に生まれた子は連れていくようで複雑そう)

家族旅行よりも車の方がいいとニーナはいうものの
新しい彼女とよろしくやりたいし、レースもあるし、
更にはまたTTに勝負を挑まれて、ロイは北限の岬、
ノールカップまで2200㎞の旅にでることに。
置いてきたはずのニーナはロイの親友たちの車に乗り込んでいて、
そこから父と娘の二人旅兼走り屋の意地をかけたレースが始まる!

というお話。面白かったです。
これが北欧流かって感じの笑いも新鮮だし結構スパイシーで。

キャノンレースという邦題と、出てくる車をみると
激しいレースなのかなと思うんですが、
どっちかというと美しく走る車たちを眺めることもできる
車好きのための環境ビデオになりそうな映像なんですよ。
背景になっている北欧の景色もダイナミックで美しいし、
車の美しさ、デザインの良さ、制動の様子なんかが
かなりいい感じに撮られてる気がするんですよね。
自分的にはあんまり興味のないことだったんですが
車って面白い、ハマるのも理解できると思える映画でした。

クラッシュもあるし、親子旅ならではのハプニングもある。
ダイナミックなアクションも随時入ってくるし、
最後はとんでもないハプニングで締め。

走り屋たちを取り締まるのに命をかけてる警察官も間に入ってきて
無駄のないピリっとした出来の楽しい90分でしたよ。

景色の雰囲気は日本では出せなさそうなものでして、
道のワイルドさも含めてとても良かったです。
北欧の景色みたい人にも勧めたいかも。