2014年、ドイツの映画。
ハッカーの青年が自首してきたところから物語はスタート。
幼いころから孤独だった、とベンヤミンは語りだす。
聞いているのは、ユーロポールの捜査官ハンネ。
そんな些細な話はいいというハンネに、
ベンヤミンは細かいところが大事なんだ、と
自らの生い立ち、家族構成、ハッカーになった経緯を順に話していく。
殺人容疑をかけられたベンヤミンが
自らの潔白と自由のために自白をするが、最後の最後にうわーってなります。
という映画。最後は確かに、狐につままれたような気分になります。
主人公のベンヤミンと仲間たちが名乗ったグループ名が「CLAY」。
これが、タイトルの「ピエロがお前を嘲笑う」の略なんです。
CLAYは四人のハッカーで構成されておりまして、
基本的には侵入するだけで実害を与えない、
愉快犯的な集団なんですよね。
彼らというか、主人公のベンヤミンととあるきっかけでしりあったマックスは
「MRX」という凄腕のハッカーにあこがれており、
というかハッカーの皆さんは「ダークネット」なんてアンダーグラウンドな場所に集まり
それぞれになりたい自分の姿で腕を競いあったりしているんです。
実際にはみんなPCの前でカタカタしてるんでしょうけども、
薄暗い地下鉄の中でひそひそやりあっているイメージに仕上げたのはうまいなーと。
で、銀行だのなんだの忍び込んでは面白いことをして名をあげていくものの、
なんだか憧れのMRXさんには認めてもらえない。
結構いい線いってるのに!と途中でイライラしてしまって、つい。
やる予定じゃなかったことを一線を越えてやっちゃうんです、ベンヤミンは。
そうしたら、とある別のハッカー集団の一人が殺されてしまう。
状況的に、CLAYがやった、と勘違いされちゃうわけです。
ここまでもかなり面白い、見ごたえのある内容になってるんですが、
そこからどうした、という経緯がまた面白くてね。
ハッキングされていたのはPCだけじゃなくて、人の心もだった……みたいな。
映像の彩度の低さとか、登場人物たちの地味めのビジュアルとか、
世界観によくマッチしていて視覚的にも面白かったです。
ああいう、イメージをうまく画で見せられる監督って素敵ですねえ。
ドイツの映画は結構突き抜けてるものが多くて、
それでいてちょっと邦画的でもあり。
この作品も結構良かったです。
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